立位姿勢が安定しているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
立位姿勢の安定性は、重心線が支持基底面内にあり、かつその支持基底面の中心に近いほど高まります。特に、体幹の各部位の重心線が一直線上に揃っていると、全体としての重心線が理想的な位置に保たれやすく、安定した姿勢となります。これにより、過剰な筋活動なしに重力とバランスを取り、効率的に姿勢を維持することができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 支持基底面が狭いと、重心がその範囲から逸脱しやすくなり、姿勢は不安定になります。安定のためには広い支持基底面が有利です。正しくは:支持基底面が広いこと。選びやすい理由:一見、無駄がなくて良さそうに感じるかもしれないが、安定性には寄与しない。混同注意:コンパクトな姿勢と安定性を混同する可能性があります。
- 2. 重心の位置が高いほど、バランスを崩した際のモーメントが大きくなり、転倒しやすくなるため、姿勢は不安定になります。安定のためには重心は低い方が有利です。正しくは:重心の位置が低いこと。選びやすい理由:座高が高いなどの身体特徴と混同して、個人の特性と捉えてしまうかもしれない。混同注意:重心の位置と身長などの身体寸法を混同することがあります。
- 3. 摩擦抵抗が小さいと、わずかな外力でも体が滑りやすくなり、姿勢の安定性が著しく低下します。滑りにくい方が安定します。正しくは:床と足底の接触面の摩擦抵抗が大きいこと。選びやすい理由:抵抗が少ない方が動きやすい、と誤解する可能性がある。混同注意:動きやすさと安定性を混同することがあります。
- 4. 正解。体全体が一本の軸を中心にバランスよく配置されている状態であり、内外からの力に対して安定しやすい最も基本的な条件です。重心線が一致していると、余計な筋活動を必要とせず、効率的に安定を保てます。
- 5. 重心線が支持基底面の中心から離れているほど、支持基底面の境界に近づき、わずかな重心移動で支持基底面から逸脱しやすくなるため、姿勢は不安定になります。中心に近い方が安定します。正しくは:重心線の位置が支持基底面の中心に近いこと。選びやすい理由:端にある方が踏ん張れる、と誤解する可能性がある。混同注意:重心を端に寄せることで、安定が得られると錯覚する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、立位姿勢の安定性を決定する基本的なバイオメカニクスの原則を問うています。特に、重心、支持基底面、重心線といったキーワードとその関係性を理解しているかがポイントです。これらの概念は、転倒予防や姿勢制御の基礎となるため、臨床場面でも非常に重要です。
混同注意
重心の位置と高さ、支持基底面の広さと中心からの距離など、似たような概念が複数登場するため、それぞれの意味と安定性への影響を正確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、不安定な姿勢の特徴(例:重心動揺が大きい、支持基底面が狭い、重心が高い、重心線が支持基底面外に近い)や、特定の疾患(例:パーキンソン病、小脳失調症)における姿勢制御の特徴と関連付けて問われる可能性があります。
関連知識
ロムベルグ試験、片足立ち、重心動揺計、フクダ・ウンターベルガー試験、重心移動。これらは立位姿勢の安定性評価や関連する概念です。