関節リウマチ患者に選択する用具として適切でないのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
関節リウマチ患者の多くは手指の変形や筋力低下、疼痛により把持能力が低下しています。マウススティックは手指の把持能力が著しく低下しているか、または上肢全体での操作が困難な場合に、口腔や頭部で操作する自助具であり、関節リウマチの症状進行度によっては適応となりますが、一般的には手指の機能を補助する自助具が優先されるため、この設問においては適当でない可能性が高いと考えられます。特に、プラットフォーム杖が「適当ではない」とする根拠が他の選択肢に比べて弱いため、関節リウマチの一般的な症状から考えると、マウススティックの使用はより重度の機能障害がある場合に限定されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 長柄ブラシは、手指の関節変形や疼痛により体幹や肩関節の可動域が制限された場合でも、広い範囲に手が届き、入浴時の清拭を容易にします。関節保護にも繋がります。選びやすい理由:関節リウマチの患者さんが日常生活でよく使用し、効果的な自助具であるため、適当なものとして選びやすい。混同注意:他の入浴補助具(シャワーチェア、浴槽手すりなど)との役割の区別。
- 2. 台付き爪切りは、テコの原理を利用して少ない力で爪を切ることができ、また、爪切りを安定させることで手指の震えや筋力低下がある場合でも安全に操作できるため、関節リウマチ患者に適しています。選びやすい理由:手の把持力低下に対応する代表的な自助具であるため、適当なものとして選びやすい。混同注意:電動爪切りなど他の爪切り補助具との機能の違い。
- 3. プラットフォーム杖は、前腕全体で体重を支えることができるため、手指や手関節に負担をかけずに体重支持を可能にし、関節リウマチによる手関節や手指の変形・疼痛がある患者の歩行補助に適しています。選びやすい理由:手指関節への負担軽減に有効なため、適当なものとして選びやすい。混同注意:ロフストランド杖やT字杖など、他の杖の種類と適応の区別。
- 4. グリップ包丁は、通常の包丁よりも柄が太く、手のひら全体で握りやすいため、手指の関節変形や握力低下がある関節リウマチ患者でも安定して使用でき、調理時の負担を軽減します。選びやすい理由:調理時の把持力低下に対応する代表的な自助具であるため、適当なものとして選びやすい。混同注意:ピーラーやユニバーサルカッターなど、他の調理用自助具との機能の違い。
- 5. 正解。マウススティックは、口や頭部で操作する入力補助装置であり、主に上肢の機能が著しく障害され、手指での操作が極めて困難な場合に用いられます。関節リウマチは手指の機能障害が主ですが、一般的な病期においては他の選択肢の自助具が優先され、マウススティックの使用は比較的重度な状態、あるいは上肢全体に及ぶ重度の機能障害がある場合に限られるため、設問の文脈では「適当ではない」と判断されます。正しくは:関節リウマチ患者の手指機能障害の程度に応じて、より一般的な手指補助具(例:太柄ペン、ページターナーなど)が適当となる。選びやすい理由:「自助具」というカテゴリーに含まれるため、一見すると選択肢としてあり得るように見える。しかし、関節リウマチの一般的な病態と照らし合わせると過剰な補助具であるため。混同注意:手指の機能障害が極めて重度で上肢全体の運動麻痺を伴う疾患(例:ALS、頸髄損傷など)の患者に用いられる自助具との適応の区別。
国試ポイント
関節リウマチ患者の身体機能障害とその対応として適切な自助具の選択を理解すること。
混同注意
関節リウマチの病期や症状の重症度によって、適切な自助具が異なる点を混同しやすい。すべての自助具が特定の患者に常に適当/不適当とは限らない。
次に同じ論点が出たら
関節リウマチ患者の自助具に関する問題が出た場合は、まず患者の手指の関節変形、疼痛、筋力低下の程度を想定し、その機能を補完し、関節保護に繋がるか否かで判断する。
関連知識
関節リウマチの主な症状である関節破壊、疼痛、運動制限、握力低下を理解し、それぞれの症状を補う自助具(食事、着替え、整容など日常生活動作全般)の種類と目的を関連付けて覚える。