作業療法室に咳き込む入院患者が来室した際、その患者への適切な指導はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
咳をしている患者さんからの飛沫拡散を防ぐためには、その患者さん自身にマスクを着用してもらうことが最も直接的かつ効果的な対策です。サージカルマスクは、医療現場で最も一般的に使用される飛沫対策用のマスクであり、咳やくしゃみによる病原体の拡散を効果的に抑制します。
選択肢ごとの解説
- 1. 咳をしている患者さんに対する飛沫感染対策としては、手袋の着用は直接的な効果が薄いです。手袋は主に接触感染のリスクが高い場面で用います。正しくは:手指衛生を促す。選びやすい理由:感染対策全般の知識から、何となく予防策の一つとして選びがち。混同注意:接触感染対策と飛沫感染対策の区別。
- 2. 手で口や鼻を覆うと、その手に病原体が付着し、他の物や人との接触を通じて感染を広げる可能性があります(接触感染のリスクを高める)。推奨されるのは、腕の内側(肘)で覆うか、ティッシュペーパーを使う方法です。正しくは:咳をする際は、肘の内側やティッシュペーパーで口と鼻を覆うように指導し、使用したティッシュは適切に廃棄し、手指衛生を行うよう促す。選びやすい理由:とっさの対応として、何も覆わないよりは良いと考えてしまいがち。混同注意:適切な咳エチケットの方法。
- 3. 作業療法室に来室した時点で咳をしているため、すでに飛沫による感染リスクが生じています。その場での適切な対応が優先され、病室に戻ってからでは遅すぎます。また、作業療法室で他の機器や物品を触る可能性もあるため、活動前後の手指衛生は重要ですが、最優先の指導ではありません。正しくは:作業療法室に入る前や、咳をした後、または活動の前後など、適切なタイミングで手指衛生を行うよう促す。選びやすい理由:手指衛生が感染対策の基本であるため、重要な行動だと認識していると選びやすい。混同注意:手指衛生の適切なタイミングと、飛沫感染対策の優先順位。
- 4. 正解。咳をしている患者さんから飛散する飛沫を抑え、周囲への感染拡大を防ぐためには、サージカルマスクの着用が最も有効な対策の一つです。これは「源対策」として重要です。選びやすい理由:多くの感染症対策の現場で実践されている一般的な対応であるため。混同注意:マスクの種類(サージカルマスク、N95マスクなど)とその使い分け。
- 5. 飛沫感染対策として推奨される距離は、一般的に1メートル(約3フィート)以上とされています。45cm(約1.5フィート)では近すぎ、十分な距離ではありません。正しくは:呼吸器感染症が疑われる場合、他の患者から2メートル程度の距離を保つよう促すか、物理的な区切りを設けるなどの対応をとる。選びやすい理由:ソーシャルディスタンスの概念から、距離を保つこと自体は正しいが、具体的な数値が間違っているため選びやすい。混同注意:推奨される身体的距離(ソーシャルディスタンス)の具体的な数値。
国試ポイント
本問は、医療現場における基本的な感染管理、特に飛沫感染対策に関する知識を問うています。患者さんの状態に応じた適切な指導内容と、各選択肢の感染対策としての有効性を理解しているかどうかが評価されます。
混同注意
咳エチケットの具体的な方法、手指衛生のタイミング、接触感染と飛沫感染の対策の違い、推奨される物理的距離。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、感染経路別の適切な予防策、特に標準予防策と感染経路別予防策の具体的な適用状況、個人防護具の種類と使い分け、そして疾患ごとの感染対策の特性について深く問われる可能性があります。また、実際に患者さんとのコミュニケーションをとる上での具体的な声かけについても問われるかもしれません。
関連知識
標準予防策、感染経路別予防策(飛沫感染、接触感染、空気感染)、咳エチケット、個人防護具(PPE)の種類と使用方法、医療施設における換気とゾーニング。