ICFで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
ICFは全ての人を対象とする普遍的な分類であり、健康の肯定的な側面と否定的な側面の両方を記述します。また、各構成要素には修飾子を用いて問題の有無や程度を数値化(コード化)することが可能です。選択肢1と4がこれに該当します。環境因子は障害の程度に深く関わり(選択肢2は誤り)、生活機能の肯定的な側面も表現できます(選択肢3は誤り)。個人因子は現時点では共通スケールを用いた量的な判定はできません(選択肢5は誤り)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICFは、障害の有無にかかわらず、全ての人の健康状態と関連する状況を記述するために用いられる普遍的な分類システムです。
- 2. 環境因子は、個人の活動や参加に大きな影響を与えるため、障害の程度と密接に関連しています。正しくは:環境因子は、個人の活動や参加の制限、すなわち障害の重症度と深く関係しています。選びやすい理由:直接的な身体機能の障害と環境因子を分離して捉える視点から、関係がないと誤解する可能性があります。混同注意:身体構造・機能の障害そのものと、それが活動や参加に及ぼす影響を混同しやすいです。環境因子は後者に大きく影響します。
- 3. ICFは、健康状態の否定的な側面(機能障害、活動制限、参加制約)だけでなく、肯定的な側面(機能、活動、参加)も表現できる包括的な分類です。正しくは:生活機能の肯定的な側面、例えば健康や能力、参加状況なども表現できます。選びやすい理由:「国際生活機能『分類』」という名称から、疾患や障害を分類するネガティブな側面のみに焦点を当てていると誤解しやすいです。混同注意:旧版である国際障害分類(ICIDH)の「障害」に焦点が当たっていた印象と混同しやすいですが、ICFは「生活機能」という広い概念を扱います。
- 4. 正解。ICFでは、各構成要素に対して修飾子(クオリファイヤー)と呼ばれる評価尺度を用いて、問題の有無や程度を0〜4の数値でコード化することができます。これは量的な判定を可能にします。
- 5. 個人因子(例:年齢、性別、性格、生活様式)は、ICFの構成要素の一つですが、現時点では共通の尺度や客観的な量的な評価方法は確立されていません。これは主に文化や個人に固有の要素が多いためです。正しくは:個人因子は、共通スケールを用いて量的に判定することは現在のところできません。選びやすい理由:ICFが包括的なフレームワークであるため、すべての要素が量的に評価可能であると錯覚しやすいです。特に他の要素(身体機能など)が評価可能である点と混同しやすいです。混同注意:身体機能や構造、活動や参加といった他の構成要素で用いられる評価尺度と、個人因子の特性を混同しやすいです。個人因子は現在のところ非分類項目です。
国試ポイント
ICFの基本的な概念理解、特にその対象範囲、目的、各構成要素の性質(特に評価可能性の有無)が問われています。ICFの普遍性、肯定・否定両側面を記述できる点、そして評価尺度(修飾子)の適用について正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
ICFと旧版のICIDHの違い、あるいはICFの各構成要素(身体機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子)の具体的な内容とその評価方法について、混同しやすい点が狙われやすいです。特に個人因子の評価の難しさは頻出です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、ICFの各構成要素の具体的な分類コードやその修飾子の使い方、あるいは特定の症例におけるICFの適用事例について深く問われる可能性があります。また、ICFと他制度(例:障害者総合支援法)との関連性も確認が必要です。
関連知識
ICFの各構成要素の定義、それぞれの相互作用、健康状態モデルとしてのICFの役割、WHOによって採択された経緯、およびリハビリテーションにおけるICFの活用方法。