高次脳機能障害の評価方法(別冊No. 7)を別に示す。この評価方法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
FAB(Frontal Assessment Battery)は、前頭葉機能に特化した評価バッテリーであり、高次脳機能障害の中でも特に前頭葉機能障害のスクリーニングに適しています。添付画像では、「概念化」「語の流暢性」「運動プログラミング」「干渉刺激に対する敏感性」「抑制コントロール」「環境に対する被影響性」といった前頭葉の実行機能、注意、行動制御に関わる項目が多数含まれており、これらはFABの評価項目と一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)は、遂行機能障害の行動学的評価バッテリーであり、FABと同様に前頭葉機能の一部を評価しますが、添付画像の内容はBADSの評価項目全てを網羅しているわけではありません。正しくは:BADSは、日常行動における遂行機能障害を評価するためのバッテリーです。例として、規則変換課題や鍵探し課題などがあります。選びやすい理由:FABと同様に遂行機能障害を評価するため、混同しやすいです。混同注意:FAB(前頭葉機能評価バッテリー)
- 2. BIT(Behavioral Inattention Test)は、半側空間無視の評価バッテリーです。添付画像の内容は半側空間無視の評価項目とは一致しません。正しくは:BITは、半側空間無視の有無や重症度を評価するために、線分二等分課題や抹消課題、絵の模写などを含みます。選びやすい理由:高次脳機能障害の評価バッテリーの一つとして知られているため、選択肢として選びやすいです。混同注意:他の高次脳機能障害評価バッテリー全般
- 3. 正解。FAB(Frontal Assessment Battery)は、前頭葉機能障害のスクリーニングに適した評価バッテリーです。添付画像に示されている「概念化」「語の流暢性」「運動プログラミング」「抑制コントロール」「環境に対する被影響性」などの項目は、FABの主要な評価項目と完全に一致しています。選びやすい理由:前頭葉機能障害の評価として最も直接的であるため。混同注意:BADS(遂行機能障害行動評価バッテリー)
- 4. RBMT(Rivermead Behavioural Memory Test)は、記憶障害の評価バッテリーであり、特に日常記憶を評価します。添付画像の内容は記憶機能の評価項目とは一致しません。正しくは:RBMTは、名前と顔の想起、約束の記憶、道順の記憶など、日常生活に即した記憶課題で構成されています。選びやすい理由:高次脳機能障害でよくみられる記憶障害の評価として選択肢に入りやすいですが、画像内容とは異なります。混同注意:他の高次脳機能障害評価バッテリー全般
- 5. SLTA(標準失語症検査)は、失語症の評価バッテリーです。添付画像の内容は言語機能(失語症)の評価項目とは一致しません。正しくは:SLTAは、聴理解、話すこと、読むこと、書くことの4側面から言語機能を詳細に評価します。選びやすい理由:失語症も高次脳機能障害の一つであるため、選択肢として選びやすいです。混同注意:他の高次脳機能障害評価バッテリー全般
国試ポイント
高次脳機能障害の評価バッテリーの名称とその対象となる機能(特に前頭葉機能障害に特化した評価方法)を正確に覚えることが重要です。
混同注意
各評価バッテリーがどの高次脳機能(記憶、注意、遂行機能など)に特化しているかを混同しやすいです。特に、スクリーニング目的か、詳細な評価目的かによって使い分けを理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
高次脳機能障害の評価に関する問題が出題された際は、提示された評価項目や障害の種類が、どの評価バッテリーの対象とする機能と一致するかを確認して判断します。
関連知識
前頭葉機能障害の症状として、遂行機能障害(計画性、問題解決能力の低下)、行動制御障害(脱抑制、固執)、注意障害、社会的行動障害などがあります。FABはこれらの症状を評価するのに有用です。