医療スタッフの協働・連携によるチーム医療推進において、作業療法士の役割で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
住環境評価は、作業療法士が患者さんの生活行為能力と生活環境の適合性を専門的に分析し、住宅改修や福祉用具の導入など具体的な介入を提案する、作業療法士固有の重要な役割です。患者さんの自宅でのADLやIADLの自立を支援し、QOL(生活の質)向上に貢献します。他の選択肢は、義肢装具士、医師、臨床検査技師、薬剤師といった他職種の専門業務に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 義肢の製作は義肢装具士の専門分野です。作業療法士は義肢の選定や装着訓練、適合評価に関わることはありますが、製作自体は行いません。正しくは:義肢製作は義肢装具士の専門業務です。選びやすい理由:作業療法士が義肢を使用する患者さんのリハビリテーションに関わるため、関連があるように感じるかもしれません。混同注意:義肢の使用訓練と製作。
- 2. 生体機能検査(例:心電図、血液検査など)は医師、臨床検査技師、看護師などが担当する業務であり、作業療法士の直接的な役割ではありません。正しくは:生体機能検査は医師や臨床検査技師が行う業務です。選びやすい理由:作業療法士も患者さんの身体機能や能力を評価するため、広義の「検査」と混同する可能性があります。混同注意:身体機能評価と医学的な生体検査。
- 3. 疼痛管理は医師による診断・薬物療法が中心であり、看護師、理学療法士、その他専門職がそれぞれの視点から関わります。作業療法士は活動を通して痛みの軽減や対処法を指導することはありますが、「管理」という包括的な表現は医師や専門医の役割に近いです。正しくは:疼痛管理は医師や専門医が行う診療行為です。作業療法士は痛みに配慮した活動指導や自助具の提案などで間接的に関わります。選びやすい理由:作業療法士が痛みを抱える患者さんのADL指導などで関与するため、疼痛「管理」も役割の一部だと錯覚しやすいです。混同注意:疼痛に対する治療的介入と、医師や専門医が行う包括的な疼痛管理。
- 4. 薬剤の調整は医師や薬剤師の専門業務であり、作業療法士が行うことはありません。正しくは:薬剤調整は医師や薬剤師の専門業務です。選びやすい理由:医療チームの一員として医療に関わるため、専門外の業務も行うのではないかと誤解するかもしれません。混同注意:医療チームの一員であることと、各専門職の明確な役割分担。
- 5. 正解。作業療法士は、患者さんが退院後に自宅で安全かつ自立した生活を送れるよう、その人の能力と住環境の適合性を評価し、必要な住宅改修の提案や福祉用具の選定など、具体的な生活支援を行うことが重要な専門業務です。これは作業療法士の専門性と強く結びついています。
国試ポイント
作業療法士の専門業務の範囲と、他職種との役割分担を正確に理解しているかを問う問題です。特に、生活行為への着目、自宅環境への介入といった作業療法士固有の役割を認識しているかが重要視されます。
混同注意
作業療法士が関わる治療や訓練の内容と、他職種が専門的に行う医療行為(診断、処方、製作など)が混同されやすいです。特に「管理」や「調整」といった広範な言葉の解釈に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、「最も適切なのはどれか」という指示に注意し、作業療法士の独自性や専門性が最も強く反映される選択肢を選ぶことが鍵となります。特に、日常生活活動や生活環境への直接的な介入に関する項目に注目しましょう。
関連知識
作業療法士の専門性(ADL、IADL、環境調整、福祉用具、住宅改修など)、多職種連携・チーム医療における各職種の役割、および各医療専門職の業務範囲(例:理学療法士及び作業療法士法、医師法、薬剤師法など)。