日本版デンバー式発達スクリーニング検査で6か月児が可能なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
日本版デンバー式発達スクリーニング検査では、寝返りは粗大運動の発達項目の一つであり、多くの乳児が4か月から7か月の間にこの能力を獲得します。したがって、生後6か月の乳児が「寝返りをする」ことは、一般的に可能な行動と判断されます。他の選択肢は、6か月児にとってはまだ達成が難しい、より後の発達段階で現れる行動です。
選択肢ごとの解説
- 1. 発音の模倣は、もう少し後の、一般的に9か月頃から1歳前後の発達段階で見られる行動です。生後6か月の乳児の発声は喃語が中心で、他者の発音を意図的に模倣するのはまだ難しいとされます。正しくは:「喃語を発する」や「音のする方向に顔を向ける」であれば、より生後6か月の発達段階に合致します。選びやすい理由:6か月頃から喃語が活発になるため、音を出すことと、他者の発音を意識的に模倣することを混同しやすいかもしれません。混同注意:喃語(クーイングから分化して母音や子音を組み合わせた音を出す段階)と、他者の発音を正確に模倣する行動。
- 2. 正解。日本版デンバー式発達スクリーニング検査において、寝返りは運動機能の発達項目の一つであり、一般的に生後4か月から7か月の間に獲得される運動能力です。したがって、生後6か月の乳児であれば多くの児が達成している行動と判断されます。
- 3. 「バイバイ」といった身振りは、他者の行動を理解し、模倣して意図的にコミュニケーションをとる、より高度な社会性・認知発達を示す行動です。これは通常、生後9か月から12か月頃に獲得されるとされています。正しくは:「人の顔をじっと見つめる」や「あやすと笑う」など、この月齢で可能な社会性を示す行動であれば適切です。選びやすい理由:生後6か月頃から人への関心が高まるため、何らかのコミュニケーション行動は可能だと誤解しやすいかもしれません。特に、偶然手を振る動作と混同する可能性があります。混同注意:生後6か月児の人への興味関心(アイコンタクトや微笑み)と、意図的な身振りによる社会的なコミュニケーション行動。
- 4. 親指を他の指と対立させて小さな物をつまむ「指先つまみ(ピンチ・グリップ)」は、微細運動の中でもより複雑な動きであり、通常生後9か月から12か月頃に完成するとされています。生後6か月の把握はまだ掌全体を使うことが多いです。正しくは:「おもちゃを握る」や「仰向けで手を口にもっていく」など、この月齢で可能な微細運動であれば適切です。選びやすい理由:生後6か月頃にはおもちゃを掴むことはできるため、「つかむ」という行為自体は可能であり、部分的に親指を使う動作が見られることもあるため、精緻な動作であると誤解しやすいかもしれません。混同注意:掌全体を使った把握(palmar grasp)と、親指と人差し指で小さな物をつまむ指先つまみ(pincer grasp)。
- 5. 両手にそれぞれ物を持って、それらを打ち合わせる行動は、両手の協調運動の発達を要します。これは通常、生後7か月から10か月頃に見られる発達段階であり、生後6か月ではまだ片手で物を掴むのが中心です。正しくは:「片手で物をつかむ」や「手に持ったものをなめる」など、この月齢で可能な操作であれば適切です。選びやすい理由:生後6か月児は物を掴んだり、口に持っていったりする行動が盛んなため、手の操作がかなり可能であると誤解しやすいかもしれません。混同注意:片手での操作と、両手を使った協調的な操作。
国試ポイント
デンバー式発達スクリーニング検査は、乳幼児の発達段階を評価する代表的な検査であり、それぞれの月齢でどのような行動が可能になるかを正確に理解しておくことが重要です。特に、運動(粗大運動・微細運動)、言語、社会性などの主要な領域における典型的な発達マイルストーンを問う問題が頻出します。
混同注意
各発達マイルストーンの時期が前後することや、個人差が大きいことを理由に、本来の達成時期と異なる選択肢を選んでしまうことがあります。特に、似たような行動(例:喃語と発音模倣、物を掴むことと指先つまみ)の発達段階を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同じような問題が出た場合は、まず設問の月齢と、各選択肢がどの発達領域(粗大運動、微細運動、言語、社会性など)に属する行動であるかを特定します。その後、その月齢における典型的な発達マイルストーンを各領域で照らし合わせ、最も妥当なものを選びます。特に、各選択肢が示す行動の「精度」や「意図性」がその月齢に合致しているかを確認することが重要です。
関連知識
日本版デンバー式発達スクリーニング検査の4つの領域(個人-社会、微細運動-適応、言語、粗大運動)と、それぞれの領域における主要な発達マイルストーンの典型的な達成時期を把握しておくことが重要です。発達の順序性や、各能力が次の能力の基礎となる関係性も理解しておくと良いでしょう。