関節リウマチ患者に対する生活指導で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
関節リウマチ患者における生活指導の基本は、関節への負担を最小限に抑え、変形や痛みの悪化を防ぐ「関節保護」の原則に基づきます。本を目と同じ高さに保つことで、頸部の過度な屈曲や伸展が避けられ、頸椎への負担が軽減されます。これは特に頸椎の環軸関節亜脱臼リスクがある関節リウマチ患者にとって重要な配慮です。
選択肢ごとの解説
- 1. 関節リウマチ患者の場合、高すぎる枕は頸部に負担をかけ、頸椎の変形や痛み、特に環軸関節亜脱臼のリスクを増大させる可能性があります。一般的には、頸椎の生理的湾曲を保つ低めの枕が推奨されます。正しくは:低めの枕を使用し、頸椎に負担がかからないようにする。選びやすい理由:一般的な安眠法として高めの枕を好む人もいるため、特に知識がないと誤って選択する可能性がある。混同注意:一般的な健康な人向けの寝具の選び方と、関節リウマチ患者の特別な配慮との混同。
- 2. 関節リウマチでは、手関節の掌屈は尺側偏位や変形を助長しやすく、機能的な制限を悪化させる恐れがあります。通常、手関節は機能的な中間位(軽度背屈位)を保持することが推奨されます。正しくは:手首は中間位か、わずかに手の甲側に反らせた状態(軽度背屈位)を保つように意識する。選びやすい理由:手の安静を保つために力を抜くと自然と掌屈位になりやすいため、それが良いと誤解する可能性がある。混同注意:安静位と機能的肢位の混同。
- 3. 関節リウマチ患者では、膝や股関節に負担がかかりやすいため、一段ごとに両足を揃える「足段」での昇段は、関節への衝撃や負荷を増大させ、痛みを悪化させる可能性があります。特に下肢の関節に炎症や痛みがある場合、片足ずつ交互に上る方が負担が少ないです。ただし、転倒リスクが高い場合は手すりを使用し、安全を確保した上での足段が推奨される場合もありますが、本肢では一般的な関節保護の観点から不適切。正しくは:関節への負担を減らすため、可能であれば一段ずつ交互に足を出すように上る。ただし、転倒リスクが高い場合は手すりを使用し、安全を優先する。選びやすい理由:足段は安全な昇段方法として高齢者や転倒リスクのある人に推奨されることがあるため、関節保護の観点と混同しやすい。混同注意:転倒予防の観点と関節保護の観点の混同。
- 4. 正解。本を目と同じ高さに保つことで、頸部の過度な屈曲や伸展を防ぎ、頸椎への負担を軽減できます。これにより、頸部の痛みや疲労を防ぎ、環軸関節亜脱臼などのリスクを低減する効果が期待できます。これは関節リウマチ患者にとって重要な関節保護の原則です。正しくは:正しい選択肢であるため修正不要。
- 5. 指を大きく広げて物を持つことは、指の関節(特にMP関節やPIP関節)に大きな負担をかけ、変形を助長したり、痛みを引き起こしたりする可能性があります。関節リウマチでは、関節に負担をかけないよう、把持する際はできるだけ手のひら全体や、面積の広い部分で支えることが推奨されます。正しくは:お茶碗を持つ際は、手のひら全体で包み込むように支え、指の関節に集中する負担を避ける。選びやすい理由:安定して持とうとすると自然と指を広げてしまいがちなため、特に意識していないと誤解しやすい。混同注意:安定して持つことと、関節に負担をかけないことの混同。
国試ポイント
関節リウマチ患者への生活指導に関する知識が問われています。特に「関節保護」の原則を理解し、具体的な日常生活動作においてどの選択肢が適切かを判断する能力が必要です。一般的な生活習慣と、関節リウマチ患者特有の配慮との違いを見極めることが重要です。
混同注意
一般的な健康な人向けの生活習慣や、他の疾患(例:骨折後のリハビリ、脳卒中後の麻痺)に対する指導と混同しやすい。特に、関節保護の原則に反する動作を、安静や安全確保の観点から「良い」と誤認する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各選択肢が「関節保護」の原則に合致しているか、特に負担をかけやすい関節(手指、手関節、頸椎、膝関節など)への影響を考慮して判断する。
関連知識
関節リウマチの病態(炎症、関節破壊、変形)、環軸関節亜脱臼のリスク、日常生活における関節保護の具体的な方法(物品の工夫、動作の工夫)、機能的肢位の保持、装具の活用など。