てんかんについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
てんかん発作は、その起源や意識の状態によって分類されます。単純部分発作(現行の国際分類では焦点意識保持発作)は、脳の一部分から始まる発作で、発作中も患者の意識は保たれている点が特徴です。患者は発作の状況を記憶しており、周囲の状況も認識しています。これに対し、意識障害を伴う部分は複雑部分発作(焦点意識減損発作)と分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. てんかんの有病率に性差はほとんどなく、男性と女性で大きな違いはありません。むしろ男性にやや多いという報告もあります。正しくは:てんかんの有病率に性差はほとんどなく、男性と女性で大きな違いはありません。選びやすい理由:特定の疾患では性差が見られることが多いため、てんかんにも何らかの性差があるのではないかと考えるかもしれません。混同注意:他の神経疾患や自己免疫疾患における性差に関する知識と混同する可能性があります。
- 2. 正解。単純部分発作(焦点意識保持発作)の定義通り、発作中も意識が清明に保たれているのが特徴です。感覚、運動、自律神経症状などが現れますが、記憶は途切れません。正しくは:単純部分発作では意識が保たれます。選びやすい理由:てんかん発作というと意識を失うイメージが強いですが、部分発作には意識が保たれるタイプがあることを理解しているかが問われます。混同注意:意識が障害される複雑部分発作や全般発作と混同する可能性があります。
- 3. てんかんの発症率は、乳幼児期と高齢期(特に65歳以上)にピークがあることが知られています。高齢期には脳血管障害や認知症などの基礎疾患が原因で発症が増加します。正しくは:高齢になるとてんかんの発症率は上昇します。選びやすい理由:多くの疾患は若年期に発症し、高齢期には発症率が低下するという一般的なイメージがあるため、誤りやすいかもしれません。混同注意:小児期のてんかんや、高齢期に減衰する他の神経変性疾患の知識と混同する可能性があります。
- 4. 熱性けいれんからてんかんへの移行率は非常に低く、通常は数%程度とされています(約2~5%)。半数以上というのは明らかに過大評価です。正しくは:熱性けいれんからてんかんへの移行率は数%程度と低いです。選びやすい理由:熱性けいれんが重篤な病態に繋がりやすいという誤解から、てんかんへの移行率も高いと考えてしまう可能性があります。混同注意:熱性けいれんが、てんかんのリスク因子の一つであるという事実と、その移行率の数値とを混同する可能性があります。
- 5. 症候性てんかんは脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷など明確な原因があるため、原因疾患の治療によって改善する可能性もありますが、多くの場合、難治性てんかんに移行しやすく、特発性てんかん(原因不明で予後が比較的良好なことが多い)よりも予後が悪い傾向にあります。正しくは:症候性てんかんは、特発性てんかんに比べて予後が不良な傾向にあります。選びやすい理由:原因が特定できるため治療がしやすいという一般的な考え方から、予後が良いと勘違いする可能性があります。混同注意:原因不明である特発性てんかんの方が予後が悪いという一般的なイメージと混同する可能性があります。症候性てんかんは原因が特定できるため、コントロールが容易であると誤解されがちです。
国試ポイント
てんかんの基本的な分類、特に部分発作における意識障害の有無に関する知識が問われています。発症率の傾向、熱性けいれんとの関連性、てんかんのタイプ(症候性/特発性)による予後の違いなど、てんかん全体に関する広範な知識が求められます。
混同注意
単純部分発作と複雑部分発作、全般発作の症状や意識レベルの違い。てんかんの疫学(発症率のピーク)、熱性けいれんとてんかんの関連、特発性と症候性てんかんの予後の違い。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、てんかんの国際分類における『発作型』と『てんかん型』の理解、特に焦点発作と全般発作の区別、および意識の有無による細分類に着目して学習すると良いでしょう。また、てんかんの年齢ごとの発症率のカーブや、主要なてんかん症候群の予後についても確認が必要です。
関連知識
てんかん発作の国際分類(ILAE分類)、てんかんの疫学、熱性けいれんの診断基準と予後、各てんかん症候群の病態と特徴。