ナルコレプシーに認められない症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ナルコレプシーの主要な症状には、日中の過度な眠気である睡眠発作、情動脱力発作(カタプレキシー)、睡眠麻痺(金縛り)、入眠時幻覚があります。けいれん発作はてんかんなどの神経疾患で認められる症状であり、ナルコレプシーの症状としては典型的ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. これはナルコレプシーの主要な症状の一つであり、患者は予期せぬ時に強い眠気に襲われ、居眠りしてしまいます。正しくは:「日中の突然の強い眠気(睡眠発作)」はナルコレプシーの主要症状であるため、認められない症状には該当しません。選びやすい理由:ナルコレプシーの典型症状として知られているため、これが含まれないと考える受験生は少ないでしょう。混同注意:ナルコレプシーの中心症状であるため、他の睡眠障害の症状と混同することはまれです。
- 2. 睡眠麻痺は、ナルコレプシー患者によく見られる症状で、意識があるにもかかわらず体が動かせなくなる状態を指します。正しくは:「金縛り(睡眠麻痺)」はナルコレプシーの付随症状であるため、認められない症状には該当しません。選びやすい理由:一般的な睡眠時にも起こりうるため、ナルコレプシーに特有でないと考えるかもしれませんが、ナルコレプシー患者では高頻度でみられます。混同注意:健常者にも起こる現象のため、ナルコレプシーの診断基準に含まれる付随症状であることを見落とす可能性があります。
- 3. 入眠時幻覚もナルコレプシーに特徴的な症状の一つで、眠りに入る際に非常にリアルでしばしば不快な幻覚を体験します。正しくは:「眠り始めの鮮明な夢(入眠時幻覚)」はナルコレプシーの付随症状であるため、認められない症状には該当しません。選びやすい理由:幻覚という言葉から精神疾患の症状と誤解するかもしれませんが、睡眠障害に分類されるナルコレプシーの症状です。混同注意:精神病性の幻覚と混同する可能性がありますが、ナルコレプシーの入眠時幻覚は意識の混濁を伴うものです。
- 4. 正解。けいれん発作(てんかん発作など)は、ナルコレプシーの症状とは直接関連がありません。ナルコレプシーでは意識消失を伴うけいれんは通常見られません。正しくは:けいれん発作はナルコレプシーではなく、てんかんなどの神経疾患で認められる症状です。選びやすい理由:睡眠中の異常な動きという点で、他の睡眠関連症状と混同する可能性がありますが、根本的なメカニズムが異なります。混同注意:てんかん発作やカタプレキシー(情動脱力発作)と混同しやすいですが、カタプレキシーは意識が保たれ、けいれんではなく筋緊張の低下が特徴です。
- 5. 情動脱力発作(カタプレキシー)は、ナルコレプシーの最も特徴的な症状の一つで、強い感情(笑いや怒りなど)によって突然全身または一部の筋力が低下する状態を指します。意識は保たれます。正しくは:「強い感情に伴う突然の脱力(情動脱力発作)」はナルコレプシーの診断基準に含まれる非常に特徴的な症状であるため、認められない症状には該当しません。選びやすい理由:体の脱力という点で、意識消失を伴う発作と誤解するかもしれませんが、意識は保たれる点が重要です。混同注意:けいれん発作や失神と混同しやすいですが、情動脱力発作では意識は保たれ、筋緊張の低下が主症状であり、けいれんや失神とは異なります。
国試ポイント
ナルコレプシーの主要な症状と、他の神経疾患の症状を区別できるかが問われています。特に、ナルコレプシーに特徴的な『情動脱力発作』が意識消失を伴う『けいれん発作』とは全く異なる病態であることを理解している必要があります。
混同注意
情動脱力発作(カタプレキシー)とけいれん発作(てんかん発作)は、突然の症状という点で混同しやすいですが、前者は意識が保たれたまま筋緊張が消失するのに対し、後者は意識消失を伴い全身の筋が痙攣する点で明確に異なります。また、睡眠麻痺や入眠時幻覚もナルコレプシーに特徴的ですが、一般的な睡眠時随伴症の一部としても見られることがあるため、その鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、ナルコレプシーの診断基準に含まれる具体的な症状(主要4症状)を正確に識別できるか、またそれぞれの症状の定義や病態生理を理解しているか、さらに他の睡眠障害や神経疾患の症状との鑑別ができるかを問う問題が予想されます。
関連知識
ナルコレプシーは、オレキシン(ヒポクレチン)という神経伝達物質の欠乏が原因とされています。情動脱力発作はオレキシン神経系の障害と強く関連しています。治療としては、中枢神経刺激薬や抗うつ薬などが用いられます。国際的な診断基準(ICSD-3など)も押さえておく必要があります。