関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995年)で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
足関節の背屈運動を測定する際、膝関節を伸展位にすると、下腿三頭筋の腓腹筋が伸張され、足関節の背屈が制限されることがあります。そのため、膝関節を屈曲位にすることで腓腹筋の緊張を緩め、足関節の真の可動域を正確に測定することが可能です。これは、下腿三頭筋が膝関節と足関節をまたぐ二関節筋である特性を考慮した測定基準です。
選択肢ごとの解説
- 1. ROM測定の角度記録は、原則として5度刻みで行われます。細かい測定が必要な場合でも、測定用紙への記載は5度刻みが基本です。正しくは:角度の記録は5度刻みで行う。選びやすい理由:より正確な測定を求める心理から、1度刻みが正しいように思えるかもしれない。混同注意:詳細な測定と記録方法の基準を混同しやすい。
- 2. 股関節伸展の測定は、通常、腹臥位(うつ伏せ)で行われます。仰臥位では骨盤が後傾しやすく、正確な伸展角度を測定することが困難です。正しくは:股関節伸展は腹臥位で行う。選びやすい理由:仰臥位は他の関節測定で用いられることが多いため、間違って選んでしまう可能性がある。混同注意:他の関節の測定肢位と混同しやすい。特に股関節屈曲は仰臥位で行うため。
- 3. ROM測定は、原則として他動運動によって行われます。自動運動は筋力や協調性なども影響するため、純粋な関節可動域を示すものではありません。ただし、自動運動ROMも評価項目としては重要です。正しくは:測定は他動運動によって行う。選びやすい理由:自動運動も重要な評価項目であるため、正しい選択肢だと誤解しやすい。混同注意:自動ROMと他動ROMの評価目的と測定方法を混同しやすい。
- 4. 正解。足関節の背屈・底屈を測定する際、膝関節を伸展位にすると、下腿三頭筋(特に腓腹筋)の伸張により背屈が制限されることがあります。膝関節を屈曲位にすることで、腓腹筋の緊張が緩み、より正確な足関節の可動域(特に背屈)を測定できます。これは下腿三頭筋の二関節筋としての特性を考慮したものです。
- 5. 手指のPIP関節の基本軸は、中手骨の長軸に平行な線上、または近位指節骨の長軸に平行な線上です。中節骨は移動軸となります。正しくは:手指PIP関節の基本軸は近位指節骨の長軸である。選びやすい理由:中節骨が関節に近い位置にあるため、基本軸だと誤解しやすい。また、手指の細かな骨の名称と役割を混同しやすい。混同注意:基本軸と移動軸、そして測定部位の骨の名称を混同しやすい。
国試ポイント
関節可動域測定法の基本原則と、特定の関節における測定肢位や注意点(特に二関節筋の影響)を問う問題です。測定基準の細かい数字や、各関節の基本軸・移動軸・測定肢位の知識が求められます。
混同注意
自動運動ROMと他動運動ROMの定義と目的、股関節の伸展と屈曲の測定肢位、および手指の関節測定における基本軸と移動軸の混同。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な関節(肩、股、膝、足、肘、手指)の基本軸、移動軸、測定肢位、測定上の注意点(特に二関節筋の影響)が正確に理解できているかを確認する。また、角度の記録方法など基本的なプロトコルも再確認する。
関連知識
関節可動域測定(ROM測定)は、理学療法士・作業療法士の基礎的評価スキルであり、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会による統一基準を熟知していることが必須です。特に、測定の原則(他動測定)、記録方法(5度刻み)、そして各関節における正しい測定肢位(二関節筋の影響など)は重要です。手指の関節の基本軸と移動軸、各骨の名称(中手骨、基節骨、中節骨、末節骨など)も正確に理解している必要があります。