作業療法実践時の標準的な感染症予防策として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
標準予防策(スタンダードプリコーション)では、すべての血液、体液、分泌物、排泄物(汗を除く)、傷のある皮膚、粘膜は感染性があるものとみなし、それらと接触する可能性がある場合には、適切な個人防護具(手袋、マスク、ガウン、目の保護具など)を着用します。患者さんの出血時には、血液に触れる機会があるため、手袋の着用が必須です。
選択肢ごとの解説
- 1. 器具や道具の消毒は、使用のたびに行うのが原則です。特に複数の患者に使用するものは、患者ごとに消毒が必要です。正しくは:使用する器具や道具は、患者ごとに、または使用のたびに適切に消毒する。選びやすい理由:一般的な環境清掃と混同して、清掃頻度として「日1回」が妥当だと誤解する可能性がある。混同注意:環境清掃の頻度と、患者ケアに使用する器具の消毒頻度。
- 2. 屋外活動でも、患者間の接触や体液への暴露など、感染リスクは存在します。そのため、適切な感染予防策は必要です。正しくは:屋外での作業療法活動でも、感染リスクを考慮し、適切な感染予防策を講じる必要がある。選びやすい理由:「屋外は換気が良い」というイメージから、感染リスクが低い、あるいは全くないと誤解しやすい。混同注意:室内環境での感染リスクと、屋外環境での感染リスクの認識。
- 3. インフルエンザウイルスなどの飛沫感染する病原体は、湿度が低い環境(40%以下)で活性が高まります。そのため、適切な湿度は40%から60%程度に保つことが推奨されます。正しくは:活動中は作業療法室内の湿度を40%から60%程度に保つよう努める。選びやすい理由:乾燥が感染予防に良いと誤解している場合や、具体的な数値が頭に入っていない場合に判断を誤りやすい。混同注意:乾燥と感染リスクの関係性(乾燥はウイルスの生存に適している)。
- 4. 抗菌性石鹸を用いた手洗いは、少なくとも15秒以上かけて手指全体を洗浄します。5秒程度では不十分です。正しくは:手洗いは流水と一般的な石鹸を使用し、少なくとも20秒以上かけて丁寧に洗浄する。抗菌性石鹸は特定の状況下で推奨される。選びやすい理由:「抗菌性」という言葉に良い印象を受けやすく、また「20秒」という数字が一部正しい情報を含むため、全体として正しいと誤解しやすい。混同注意:日常的な手洗いと、外科的手洗いや特定の感染症患者に対応する際の手洗い方法。
- 5. 正解。血液や体液は感染源となる可能性があるため、標準予防策(スタンダードプリコーション)の原則に従い、患者の血液や体液に触れる可能性がある場合は必ず手袋を着用して対応することが適切です。
国試ポイント
作業療法の実践において、標準予防策(スタンダードプリコーション)の基本的な知識が問われています。特に、体液曝露時の対応や環境整備、個人の衛生管理に関する理解が重要です。
混同注意
通常の環境整備と感染源となる可能性のある体液への対応の違い、また、特別な感染症に対する対策と標準予防策の区別。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の個人防護具(マスク、ガウン、ゴーグルなど)の適切な使用場面や、針刺し事故時の対応、手指消毒薬の適切な使用方法などが問われる可能性があります。
関連知識
標準予防策の具体的な内容(手洗い、手袋、マスク、ガウン、目の保護具の着用、リネン、医療器具の取り扱い、患者の配置など)。主要な感染経路(接触感染、飛沫感染、空気感染)とその予防策。