頭部単純CTで発症直後から診断できるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
頭部単純CTにおいて、出血は発症直後から高吸収域として明確に描出されるため、脳出血は発症直後から診断が可能です。一方、脳梗塞は発症直後では虚血部位の変化がCTで明確になるまでに時間を要します。その他の疾患は、単純CTでは特異的な所見に乏しいか、診断にMRIなどのより詳細な画像検査が必要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳梗塞は発症直後の単純CTでは通常、異常が明確に検出されにくいです。虚血部位が低吸収域として描出されるまでには、一般的に6~24時間以上かかるとされています。正しくは:発症から時間が経過した(6時間以上など)脳梗塞であれば、単純CTでも低吸収域として診断可能です。選びやすい理由:急性期脳血管障害として、CT検査が行われることが多いため、選択肢として考えやすいです。混同注意:脳出血と脳梗塞はどちらも急性期脳血管障害ですが、単純CTでの発症直後の診断能が異なります。MRIでは発症直後から脳梗塞を診断しやすいです。
- 2. 正解。脳出血は、血液が脳実質内に漏れ出た状態であり、単純CTでは血液が周囲組織より高吸収域(白く)として描出されるため、発症直後から明確に診断できます。
- 3. Parkinson病は神経変性疾患であり、頭部単純CTでは脳の萎縮が認められることはあっても、疾患そのものを発症直後から診断できるような特異的な所見はありません。通常、臨床症状やMRI、MIBG心筋シンチグラフィなどで診断されます。正しくは:Parkinson病の診断には、単純CTではなく、臨床症状の観察、MRI、MIBG心筋シンチグラフィなどが用いられます。選びやすい理由:一般的な脳疾患として知られているため、選択肢として無意識に選んでしまう可能性があります。混同注意:器質的な異常が明確に現れる急性疾患と、緩徐に進行する変性疾患のCT画像上の診断能を混同しやすいです。
- 4. 多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患であり、病変は単純CTでは捉えにくいことが多いです。診断には、MRI(特にT2強調画像やFLAIR画像で高信号病変が確認される)が不可欠です。正しくは:多発性硬化症の診断には、単純CTではなく、MRI検査が必須となります。選びやすい理由:これも脳の疾患であるため、画像診断の対象ではありますが、単純CTの診断限界を理解していないと誤って選ぶ可能性があります。混同注意:単純CTとMRIの画像診断における得意分野の違いを理解していないと混同しやすいです。
- 5. 白質ジストロフィーは遺伝性の中枢神経系疾患で、白質の異常が特徴です。単純CTで白質の低吸収域が見られることはありますが、発症直後から特異的に診断できるものではなく、通常はMRIや遺伝子検査などが診断に用いられます。正しくは:白質ジストロフィーの診断には、単純CTではなく、MRI検査や遺伝子検査などがより有用です。選びやすい理由:白質病変という点でCT画像との関連性を考えてしまうかもしれませんが、単純CTの限界があります。混同注意:MRIであれば白質病変は捉えやすいですが、単純CTでは詳細な白質病変の評価は難しいという違いを混同しやすいです。
国試ポイント
単純CTで急性期に診断可能な疾患とそうでない疾患、特に脳血管障害における脳梗塞と脳出血の単純CT所見の違い(時間経過による変化)が問われています。また、各画像診断モダリティの得意分野を理解しているかどうかも重要なポイントです。
混同注意
急性期脳梗塞と脳出血の単純CT所見。発症直後の単純CTで脳梗塞が診断しにくいことと、MRIでは発症直後から診断可能であること。また、単純CTとMRIの適応の違い。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、急性期の診断において各画像診断法(単純CT、MRI)が何を得意とし、何を苦手とするか、そして疾患ごとの典型的な画像所見(特に時間経過による変化)を問う問題が出ると予想されます。
関連知識
脳血管障害の分類(虚血性・出血性)、急性期脳画像診断(CT、MRIの役割)、各種神経変性疾患や脱髄疾患の診断法(特に画像診断モダリティの選択)。