筋電義手で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
筋電義手の最も基本的な制御は、残存筋の活動電位を利用して行われます。例えば、前腕切断の患者であれば、手関節の屈筋や伸筋に電極を配置し、それぞれの筋収縮のオン/オフや強弱によって義手の開閉を制御します。一つの筋電信号でも、そのON/OFFや持続時間によって義手の開閉やロックといった単一の機能を制御することは技術的に可能です。ただし、複数の機能(開閉、回旋など)を同時に制御するには通常、複数の電極とより高度な制御システムが必要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋電義手は発達に応じた早期介入が重要であり、6歳未満でも小児用義手として適用されることがあります。特に、乳幼児期からの使用は、両手動作の習得や身体図式の形成に役立つとされています。正しくは:筋電義手は、年齢に関わらず、乳幼児期から小児用として導入されることがあります。選びやすい理由:一般的な義手の装着年齢や身体的な成長を考えると、幼すぎる年齢での使用をためらう心理が働くかもしれません。混同注意:学童期の義手導入基準や、精密な操作が必要なためある程度の認知機能が必要という誤解と混同しやすいです。
- 2. 筋電義手は、残存肢の筋活動を電極で読み取って制御するため、ハーネスは通常使用しません。ソケットが直接残存肢に装着され、その内部に電極が組み込まれています。ハーネスは主に能動義手(操体義手)で、動作源として使用されます。正しくは:筋電義手は、ソケットに残存筋からの信号を検出する電極が組み込まれており、通常ハーネスは使用しません。選びやすい理由:能動義手のイメージが強く、多くの義手でハーネスが使われることから、筋電義手でも必要だと誤解しやすいです。混同注意:操体義手(能動義手)の装着方法と混同しやすいです。
- 3. 一般的な市販の筋電義手には、装着者が義手の動きや把持力を直接感じ取れるような感覚フィードバック機能は標準装備されていません。研究段階では開発が進められていますが、普及している製品にはまだ組み込まれていません。正しくは:一般的な筋電義手には、視覚や聴覚以外の直接的な感覚フィードバック機能は通常搭載されていません。選びやすい理由:最新の技術や将来的な発展への期待から、既に実装されていると誤解しやすいです。また、義手装着者が操作感を得るための代償的な情報(音など)を感覚フィードバックと混同することがあります。混同注意:視覚や聴覚によるフィードバック、または研究段階の最先端技術と混同しやすいです。
- 4. 高機能な筋電義手の中には、五指それぞれを独立して駆動できる多指駆動型(マルチフィンガー)の筋電ハンドが存在します。これにより、より複雑な把持動作や細かい作業が可能になります。正しくは:高機能な筋電義手には、五指それぞれを個別に駆動できる筋電ハンドが存在します。選びやすい理由:一般的な筋電ハンドは親指と他の四指といった二指駆動が多いことから、全ての指を個別に動かせるとは思わないかもしれません。混同注意:一般的な普及型筋電ハンドの機能と、最新・高機能型筋電ハンドの機能を混同しやすいです。
- 5. 正解。筋電義手は、残存筋の収縮電位を利用して制御されます。例えば、一つの筋電信号を閾値を超えたら「閉」、閾値以下になったら「開」といったように、一つの筋電信号のオン/オフや強弱で義手の開閉(単一機能)を制御することは可能です。ただし、より複雑な動作には複数の電極と信号が必要になります。選びやすい理由:複数の電極で複雑な動作を制御するイメージが強いため、1つでは不十分だと感じるかもしれませんが、最も基本的な開閉動作であれば可能です。混同注意:複数の自由度を持つ義手の複雑な制御と、最も基本的な単一の開閉制御を混同しやすいです。
国試ポイント
筋電義手の基本的な原理と、各選択肢が示すような一般的な認識や誤解について問われる問題です。特に、筋電義手の適用年齢、装着方法、機能(感覚フィードバック、多指駆動)、そして基本的な制御方法(電極数と機能)に関する知識が問われています。
混同注意
能動義手(操体義手)との違い、最新の筋電義手技術(研究段階のもの)と現在の普及製品の機能、基本的な開閉制御と多機能制御に必要な電極数の違いなどが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、筋電義手の多機能化に伴う制御方法の複雑さ、AIを用いた制御技術、触覚フィードバックの実現可能性、あるいは能動義手との比較におけるメリット・デメリットなどが問われる可能性があります。
関連知識
義手の種類(能動義手、受動義手、筋電義手)、筋電義手の制御原理(筋活動電位)、ソケットの役割、小児用義手の適応と意義、義手のリハビリテーションプロセス。