地域作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
選択肢2は、健康教育を通じて住民が健康的な生活を送るための知識やスキルを習得することは、まさにヘルスプロモーションの目的と合致します。選択肢3は、作業療法士が地域住民や多職種に対して専門的な助言を提供し、主体的な問題解決を支援するコンサルテーションモデルは、地域作業療法において有効な連携方法です。他の選択肢は、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの定義の誤解、およびMTDLPにおける計画策定の誤認が含まれています。
選択肢ごとの解説
- 1. ハイリスクアプローチは、特定の高リスク集団に焦点を当てた介入であり、地域全体への直接的な波及効果は限定的です。効果は限定された対象集団において高く発揮されます。正しくは:ハイリスクアプローチは、特定の高リスク集団に焦点を当てた個別的介入であり、地域全体への広範な効果は期待しにくい。選びやすい理由:リスクの高い対象への介入は重要であるため、良いアプローチだと思われがちです。混同注意:ポピュレーションアプローチと混同しやすく、地域全体への影響が大きいと誤解されやすいです。
- 2. 正解。ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善できるようにするプロセスのことです。地域住民への健康教育は、この定義に合致する代表的な活動です。
- 3. 正解。コンサルテーションモデルは、作業療法士が専門知識を提供し、地域住民や関係機関が主体的に問題を解決できるよう支援する関わり方です。地域作業療法において重要なアプローチの一つです。
- 4. MTDLPは、多職種が連携して生活期リハビリテーションを推進する考え方であり、サービス計画の作成にはアセスメント情報全般が用いられます。基本チェックリストは主に介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)で用いられ、MTDLPの計画作成の基礎となるものとは異なります。正しくは:MTDLPでは、多角的なアセスメント情報に基づいてサービス計画が作成される。選びやすい理由:基本チェックリストは地域高齢者のスクリーニングに用いられるため、地域作業療法と関連が深いと錯覚しやすいです。混同注意:基本チェックリストが用いられる介護予防サービス計画と、MTDLPにおけるリハビリテーション計画の策定を混同しやすいです。
- 5. ポピュレーションアプローチは、集団全体や地域全体を対象とし、健康要因の改善や疾病予防を目指すアプローチです。個別の治療が必要な個人を対象とするのはハイリスクアプローチです。正しくは:ポピュレーションアプローチは、地域全体や集団を対象とし、全体の健康水準の向上を目指す。選びやすい理由:対象を絞った個別アプローチの方が効果が高いと感じられるため、選択肢が魅力的に映るかもしれません。混同注意:ハイリスクアプローチと混同しやすいです。ポピュレーションアプローチは集団全体、ハイリスクアプローチは特定の高リスク個人や集団が対象です。
国試ポイント
地域作業療法における基本的なアプローチ(ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチ)の定義、ヘルスプロモーションの概念、および地域連携におけるコンサルテーションの役割について正しく理解しているかを問う問題です。MTDLPや基本チェックリストといった関連用語の知識も複合的に問われています。
混同注意
ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの対象と目的、ヘルスプロモーションと疾病予防の違い、コンサルテーションモデルと直接介入モデル。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各アプローチ(ハイリスク、ポピュレーション、コンサルテーション)の具体例や、ヘルスプロモーションの5つの活動領域について問われる可能性があります。また、MTDLPの詳細な内容や、基本チェックリストが介護保険制度のどの部分でどのように活用されるかについても確認が必要です。
関連知識
地域作業療法における活動内容、地域包括ケアシステム、介護保険制度(特に総合事業)、多職種連携、公衆衛生の概念。