痛みの種類について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
侵害受容性疼痛は、組織の損傷や炎症により末梢の侵害受容器が刺激されて生じるため、器質的疾患と密接に関連します。心因性疼痛は、心理的、社会的、文化的な要因が複雑に絡み合い、身体的な要因だけでは説明できない痛みを指します。一方、神経障害性疼痛は神経系自体の損傷や機能不全が原因であり、NSAIDsは効果が限定的です。選択肢4と5はそれぞれ神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛のメカニズムを入れ替えて説明しているため誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。侵害受容性疼痛は、末梢の侵害受容器が刺激されることで生じる痛みであり、組織損傷や炎症など器質的疾患が原因となることがほとんどです。
- 2. 正解。心因性疼痛(心理社会的疼痛)は、身体的な病変だけでは説明できない痛みの総称であり、精神的なストレス、社会環境、過去の経験などが複合的に影響して発症・慢性化すると考えられています。
- 3. 神経障害性疼痛に対するNSAIDsの効果は限定的か、ほとんど期待できません。正しくは:神経障害性疼痛には、抗うつ薬(特に三環系抗うつ薬やSNRI)、抗てんかん薬(プレガバリン、ガバペンチンなど)が主に用いられます。選びやすい理由:一般的な痛み止めとしてNSAIDsが広く知られているため、あらゆる痛みに有効だと誤解しやすいです。混同注意:侵害受容性疼痛に対する治療法と混同しやすいです。NSAIDsは侵害受容性疼痛、特に炎症性の痛みに効果的です。
- 4. これは神経障害性疼痛の説明であり、侵害受容性疼痛の説明ではありません。正しくは:侵害受容性疼痛は、侵害受容器が活性化することで痛みを感じる状態です。選びやすい理由:「神経経路が障害」という言葉から、痛みに関連する概念として適切に聞こえるため選びやすいですが、侵害受容性疼痛のメカニズムとは異なります。混同注意:神経障害性疼痛の定義と混同しやすいです。
- 5. これは侵害受容性疼痛のメカニズムの説明であり、神経障害性疼痛の説明ではありません。正しくは:神経障害性疼痛は、神経系自体の損傷や機能不全によって生じる痛みです。選びやすい理由:「受容器が刺激される」という一般的な痛みのメカニズムに当てはまるため選びやすいですが、神経障害性疼痛は受容器の活性化が主な原因ではありません。混同注意:侵害受容性疼痛の定義と混同しやすいです。
国試ポイント
痛みの分類(侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛)の定義、特徴、およびそれぞれの治療原則を正しく理解しているかを確認する問題です。特に、それぞれの痛みの発生メカニズムと適切な薬物療法について、正確な知識が求められます。
混同注意
侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛のメカニズム、心因性疼痛の多因子性、およびそれぞれの治療薬の選択が混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、痛みの分類ごとの具体的な症例(例:腰痛症、糖尿病性神経障害、幻肢痛など)と関連付けて、どの痛みの種類に該当するか、どのような治療が適切かを判断できるかが問われる可能性があります。
関連知識
痛みの国際分類(ICD-11における分類、IASPによる分類など)、痛みの評価方法(NRS, VAS, SF-MPQなど)、各種疼痛に対する薬物療法(NSAIDs、オピオイド、抗うつ薬、抗てんかん薬など)、非薬物療法(理学療法、作業療法、心理療法など)。