運動失調症状のうち、時間測定異常を評価するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
跳ね返り現象は、抵抗を取り除いた際に、拮抗筋が適切に運動を制御できず、目的の動きを超えてしまう現象を指します。これは、運動の開始と停止、あるいは運動中の筋活動の時間的な調整がうまくいかない、すなわち時間測定異常(dyschronometria)の一形態として評価されます。小脳障害において特徴的に見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. foot patは下肢の協調運動、特にリズムや足首の素早い動きを評価するもので、時間測定異常を直接評価するものではありません。正しくは:足の素早い繰り返し運動の能力を評価する検査です。選びやすい理由:反復運動なのでリズム障害(dysdiadochokinesia)の一部と混同するかもしれません。混同注意:失調の要素ではありますが、時間測定異常(dysmetriaの時間的要素)とは異なる評価点です。
- 2. 指鼻試験は運動の正確さ、特に目標への到達精度(距離測定異常/dysmetria)を評価するものであり、時間測定異常を直接評価するものではありません。正しくは:運動の距離測定異常や方向性の正確さを評価する検査です。選びやすい理由:失調の代表的な検査であるため、選びやすいかもしれません。混同注意:目的指向性運動の滑らかさや正確さを評価しますが、時間的な側面を主に見るものではありません。
- 3. 継ぎ足歩行は主に平衡機能や体幹の安定性、下肢の協調性を評価するもので、時間測定異常を直接評価するものではありません。正しくは:平衡機能や体幹の安定性、下肢の協調運動を評価する検査です。選びやすい理由:歩行失調の評価で頻繁に用いられるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:歩行の安定性を評価しますが、個々の運動の時間的な正確さとは異なります。
- 4. 正解。跳ね返り現象は、抵抗運動が突然解除された際に、拮抗筋が適切に働き運動を停止させる時間的な調節能力を評価するものです。小脳障害による運動失調では、この拮抗筋の活動が遅れ、過剰な運動や自己傷害のリスクが生じ、これは時間測定異常の一形態とされます。選びやすい理由:他の選択肢も失調を評価する検査なので迷う可能性があります。混同注意:筋緊張の検査と混同することもありますが、小脳性失調における特徴的な現象として捉えられます。
- 5. コップ把持検査は、目的の対象物(コップ)に手を伸ばし、それを掴んで持ち上げる一連の動作の協調性や震え、速度、正確性を総合的に評価するものであり、特定の時間測定異常を直接評価するものではありません。正しくは:上肢の複合的な協調性、巧緻性、および震えの有無を評価する検査です。選びやすい理由:日常生活動作に近い検査であり、失調によって動作が困難になるため、選択肢として考えられるかもしれません。混同注意:複数の失調症状(測定異常、運動分解、振戦など)を複合的に評価しますが、時間測定に特化したものではありません。
国試ポイント
運動失調の各症状(測定異常、共同運動障害、変調運動、拮抗運動反復不能、跳ね返り現象など)と、それぞれの症状を評価する具体的な検査方法との対応を問う問題です。特に、時間測定異常という概念と、それを評価する検査を結びつけられるかが重要です。
混同注意
運動失調の様々な要素(距離測定異常、運動分解、反復変換運動障害など)と、それぞれに対応する検査が混同されやすいです。特に「時間測定異常」という言葉自体が、どの検査で評価されるのかを正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、運動失調の各症状(例:測定異常、共同運動障害、拮抗運動反復不能など)と、それを評価するための具体的な検査(例:指鼻試験、膝踵試験、足趾叩打試験など)の組み合わせが問われるでしょう。また、特定の失調症状が日常生活にどのような影響を及ぼすかという応用問題も考えられます。
関連知識
小脳性運動失調の主な症状には、測定異常(dysmetria)、運動分解(decomposition of movement)、拮抗運動反復不能(dysdiadochokinesia)、振戦(tremor)、跳ね返り現象(rebound phenomenon)、構音障害(dysarthria)、眼振(nystagmus)、平衡障害などがあります。それぞれの症状と関連する神経学的メカニズムや評価方法を理解することが重要です。