脳性麻痺児の日常生活における手指操作能力を分類するための尺度はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
MACS(Manual Ability Classification System)は、脳性麻痺児が日常生活において両手で物をどれだけ効率的に扱えるかを評価するために開発された、信頼性と妥当性の高い分類システムです。5段階のレベルで分類され、日常生活における手指操作能力を客観的に捉えることができます。GMFMは粗大運動、K-ABCは認知能力、PEDIは日常生活活動全般の機能評価であり、JASPERは総合的な評価セットを指すため、いずれも手指操作能力に特化した分類尺度という設問の要件には合致しません。
選択肢ごとの解説
- 1. GMFMは脳性麻痺児の粗大運動能力を評価するための尺度です。手指操作能力は評価対象外です。正しくは:GMFMは粗大運動機能を測定します。選びやすい理由:脳性麻痺児の評価尺度として有名なので、選択肢に入っているとつい選びたくなるかもしれません。混同注意:粗大運動機能と微細運動機能の評価目的を混同しやすいです。
- 2. JASPERは脳性麻痺児の総合的な発達を多角的に評価するもので、手指操作能力に特化した分類尺度ではありません。個別の機能検査や発達検査の総称的な意味合いが強いです。正しくは:JASPERは総合的な小児リハビリテーション評価セットであり、手指操作能力の分類尺度ではありません。選びやすい理由:「小児リハビリテーション」という言葉から、脳性麻痺児の評価に広く使えるように見えます。混同注意:特定の機能に特化した分類尺度と、多領域をカバーする総合的な評価バッテリーを混同しやすいです。
- 3. K-ABCは子どもの認知能力や学習能力を評価するための検査バッテリーです。手指操作能力の分類尺度ではありません。正しくは:K-ABCは子どもの認知能力・学習能力を評価する検査です。選びやすい理由:子どもの発達評価に使われる有名な尺度なので、選んでしまう可能性があります。混同注意:運動機能の評価と認知機能の評価を混同しやすいです。
- 4. 正解。MACSは、脳性麻痺児が日常生活の中でどのように手を使って物を扱うか(マニュアルアビリティ)を分類するための国際的に確立された尺度です。提示された設問の意図に完全に合致します。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:正答なので迷う必要はありません。混同注意:他の脳性麻痺に関する様々な評価尺度と区別がつきにくいかもしれません。
- 5. PEDIは、子どもの機能能力と介護者の負担を評価する包括的な尺度であり、セルフケア、モビリティ、社会機能の3つの領域にわたって評価しますが、手指操作能力に特化した分類尺度ではありません。日常生活動作全般における機能レベルを評価します。正しくは:PEDIは子どもの日常生活動作能力や介護負担を評価する包括的な尺度です。選びやすい理由:日常生活能力を評価する尺度として有名なので、手指操作能力も含まれると誤解しやすいです。混同注意:特定の身体部位の機能分類尺度と、広範な日常生活活動を評価する尺度を混同しやすいです。
国試ポイント
脳性麻痺児の各種評価尺度について、その目的と評価対象を正確に理解しているかが問われています。特に、MACSが手指操作能力の分類尺度であること、GMFMが粗大運動機能の尺度であることが重要です。
混同注意
脳性麻痺児の評価尺度には多くの種類があるため、それぞれの尺度名と評価対象(例:粗大運動、微細運動、認知、ADL全般など)を正確に結び付けて記憶することが混乱を避ける鍵です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず「何の機能」を「どのような形式」(分類か、詳細な検査か、特定の能力か)で評価する尺度を求めているかを確認する。特に、分類システム(Classification System)と名称についている尺度は、その名称が示す通りの機能を評価・分類する可能性が高い。
関連知識
GMFCS(Gross Motor Function Classification System): 脳性麻痺児の粗大運動機能の分類システム。MACSと同様にレベル分けされます。CFCS(Communication Function Classification System): 脳性麻痺児のコミュニケーション能力の分類システム。