脳性麻痺の痙縮の治療として適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脳性麻痺の痙縮に対する治療法は多岐にわたりますが、ステロイド薬の全身投与は一般的にその治療選択肢には含まれません。ステロイドは炎症抑制や免疫抑制作用が主であり、痙縮の直接的な原因に作用するものではないためです。他の選択肢は、いずれも脳性麻痺の痙縮治療において実際に用いられる確立された方法です。
選択肢ごとの解説
- 1. バクロフェン髄腔内投与は、重度の全身性痙縮や内服薬の効果が低い場合に用いられる有効な治療法です。正しくは:この治療法は適切です。選びやすい理由:比較的新しい治療法として知られているため、治療法の範囲外と誤解する可能性があるかもしれません。混同注意:経口バクロフェンと作用機序や投与経路が異なることを混同するかもしれません。
- 2. ギプスや装具を用いて関節を一定の位置で保持することで、筋の伸長反射を抑制し、筋緊張の軽減を図ることは痙縮管理に有効です。正しくは:この治療法は適切です。選びやすい理由:ギプスが日常生活動作を制限すると考え、消極的な治療法だと誤解する可能性があります。混同注意:単なる固定と、痙縮抑制を目的とした持続的な伸長による効果を混同するかもしれません。
- 3. 正解。ステロイド薬の全身投与は、通常、脳性麻痺の痙縮に対する直接的な治療法としては推奨されません。炎症性疾患や自己免疫疾患に用いられることが多く、痙縮抑制効果は限定的か、副作用のリスクが高いです。正しくは:脳性麻痺の痙縮には、一般的にステロイド薬は使用されません。選びやすい理由:炎症や神経系の疾患に対する薬として知られているため、なんらかの神経学的問題に効果があると誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の神経疾患、例えば多発性硬化症の急性増悪期などにステロイドが使われることと混同する可能性があります。
- 4. フェノールブロックは、末梢神経や運動点に対して薬剤を注入し、神経を化学的に変性させることで痙縮筋への刺激伝達を遮断し、筋緊張を緩和する選択的な治療法です。正しくは:この治療法は適切です。選びやすい理由:化学的な神経遮断という言葉から、侵襲性が高く適切でないと誤解する可能性があります。混同注意:他の神経遮断療法、例えばアルコールブロックなどと混同するかもしれません。
- 5. ボツリヌス毒素の局所注射は、筋の神経筋接合部に作用してアセチルコリンの放出を阻害し、筋収縮を一時的に抑制することで、痙縮を軽減する非常に有効な治療法です。正しくは:この治療法は適切です。選びやすい理由:美容医療のイメージが強く、痙縮治療としての効果を軽視したり、不適切だと誤解したりする可能性があります。混同注意:ボツリヌス毒素の作用機序や、その効果の持続期間について正確な理解がないと誤解しやすいです。
国試ポイント
脳性麻痺の痙縮に対する具体的な治療法の知識が問われています。特に、効果が期待される治療法と、無効または不適切とされる治療法を区別できるかが重要です。各治療法の作用機序とその適応を理解している必要があります。
混同注意
ステロイド薬が様々な神経疾患や炎症性疾患で用いられるため、脳性麻痺という神経疾患に対しても効果があると誤解しやすい点。他の痙縮治療法(薬物療法、物理療法、外科療法など)と作用機序や目的が異なることを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が問われた場合、それぞれの治療法がどのようなタイプの痙縮(局所性、全身性、軽度、重度など)に適しているか、具体的な合併症や副作用、治療期間と効果の持続性について問われる可能性があります。
関連知識
脳性麻痺の病態生理、痙縮のメカニズム、バクロフェン(経口・髄腔内)、ボツリヌス毒素、選択的脊髄後根切断術、整形外科手術、装具療法、理学療法、作業療法。