尿閉患者が使用する排尿関連用具で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
尿閉とは、膀胱に尿が充満しているにも関わらず、自力での排尿ができない状態を指します。この状態では、膀胱内に溜まった尿を物理的に体外へ排出する必要があります。尿道カテーテルは、尿道を通して膀胱内に直接挿入し、尿を体外へ誘導するための器具であり、尿閉の最も直接的かつ適切な治療・管理方法となります。他の選択肢は、尿失禁の管理や移動困難な患者の排泄補助に用いられるものであり、尿閉の根本的な解決にはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. コンドーム型集尿器は、男性の尿失禁患者が使用するものであり、自分で排尿はできるが尿漏れがある場合に適用されます。尿閉では、尿を排出する機能自体が損なわれているため、適切な選択肢ではありません。正しくは:尿失禁があるが排尿は可能な男性が使用します。選びやすい理由:尿を集める道具として考えられがちですが、尿閉の根本的な解決にはなりません。混同注意:尿失禁と尿閉の状態を混同しやすいです。
- 2. 自動吸引式集尿器も、主に尿失禁患者向けであり、尿を吸引して集めるものです。尿閉患者は排尿ができない状態にあるため、吸引しても膀胱からの尿排出には直接寄与しません。正しくは:排尿は可能だが尿失禁がある患者が使用します。選びやすい理由:「吸引」という言葉から、尿を出す手助けになりそうに思えるかもしれません。混同注意:尿失禁と尿閉のメカニズムの違いを理解していないと誤解しやすいです。
- 3. ポータブルトイレは、通常のトイレまで移動が困難な患者が使用するものであり、自分で排尿できる能力があることが前提です。尿閉患者は排尿行為自体ができないため、ポータブルトイレは解決策になりません。正しくは:自分で排尿できるがトイレまでの移動が困難な患者が使用します。選びやすい理由:排泄を補助する道具の一つとして、選択肢に入れたくなるかもしれません。混同注意:排泄支援全般と、尿閉に特化した介入の違いを区別できない可能性があります。
- 4. 正解。尿道カテーテルは、膀胱内に直接留置し、物理的に尿を体外へ排出するための管です。尿閉は膀胱に尿が溜まっているが排出できない状態であるため、カテーテルを用いて尿を導き出すことが最も適切で直接的な対処法となります。正しくは:正しい選択肢です。選びやすい理由:ありません。混同注意:ありません。
- 5. おむつは尿失禁がある場合や、排泄動作が自立できない場合に、漏れた尿を受け止めるためのものです。尿閉の場合は、そもそも尿が排出されないか、排出されても少量であり、膀胱に尿が貯留し続ける問題が解決されません。正しくは:尿失禁患者や排泄動作が困難な患者の失禁対策として使用します。選びやすい理由:排泄関連用品として一般的であるため、選択肢として考慮されがちです。混同注意:尿失禁と尿閉、それぞれの状態に対する対処法の違いを混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、排尿に関する様々な状態(尿閉、尿失禁、移動困難)と、それらに対応する適切な排泄関連用具の知識を問うものです。特に、尿閉の病態生理と、それに対する直接的な介入策としての尿道カテーテルの役割を理解しているかが重要です。各用具の適用疾患や目的を正確に把握している必要があります。
混同注意
尿閉と尿失禁に対する用具の使い分け。特に、集尿器やおむつは尿失禁で用いられるため、混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、尿閉の患者に対する緊急時の対応や、カテーテル管理における合併症予防、または一時的導尿と持続的導尿の使い分けなどが問われる可能性があります。また、女性の尿失禁に対する理学療法(骨盤底筋体操など)や生活指導も関連知識として重要です。
関連知識
尿閉の原因(前立腺肥大症、神経因性膀胱など)、尿失禁の種類と管理、排泄ケア全般、清潔ケア、感染予防策(特にカテーテル留置時の注意点)。