嫌気的代謝の過程で生成される物質はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
嫌気的代謝は主に解糖系を指し、ブドウ糖を分解してピルビン酸を生成します。酸素が不足している状況下では、このピルビン酸はさらに乳酸などに変換され、NAD+を再生することで解糖系を継続させます。したがって、ピルビン酸は嫌気的代謝の過程で生成される重要な物質です。他の選択肢のクエン酸、フマル酸、イソクエン酸はクエン酸回路(TCAサイクル)の構成要素であり、この回路は酸素を必要とする好気的代謝の一部です。アミノ酸はタンパク質分解産物であり、直接的な嫌気的代謝産物ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. アミノ酸は主にタンパク質の構成要素であり、嫌気的代謝の直接的な生成物ではありません。アミノ酸の分解は主にTCAサイクルや尿素回路といった好気的な経路で行われます。正しくは:嫌気的代謝の生成物としては、乳酸やエタノールなどが挙げられます。選びやすい理由:生体内の重要な物質なので、なんとなく選んでしまうかもしれません。混同注意:タンパク質代謝とエネルギー代謝が混同される可能性があります。
- 2. クエン酸はクエン酸回路(TCAサイクル)の重要な中間代謝物であり、この回路は酸素を必要とする好気的代謝の一部です。正しくは:クエン酸は好気的代謝であるクエン酸回路(TCAサイクル)で生成・消費されます。選びやすい理由:クエン酸回路という名前から、エネルギー代謝の中心的な物質であると誤解し、選びやすいかもしれません。混同注意:クエン酸回路が好気的代謝であることを理解していないと、選びやすいです。
- 3. フマル酸もクエン酸回路(TCAサイクル)の中間体であり、好気的代謝経路に属します。正しくは:フマル酸は好気的代謝であるクエン酸回路(TCAサイクル)の中間体です。選びやすい理由:他の酸と混同し、嫌気的代謝でも生成されると誤解する可能性があります。混同注意:クエン酸回路の個々の成分が嫌気的代謝と結びつけられることがあります。
- 4. 正解。ピルビン酸は解糖系の最終産物であり、解糖系は酸素の有無にかかわらず進行します。酸素がない嫌気的条件下では、このピルビン酸が乳酸などに変換されます。したがって、嫌気的代謝の過程で生成される物質と言えます。
- 5. イソクエン酸はクエン酸回路(TCAサイクル)の中間体の一つであり、好気的代謝経路に含まれます。正しくは:イソクエン酸は好気的代謝であるクエン酸回路(TCAサイクル)の中間体です。選びやすい理由:クエン酸と同じように、エネルギー代謝に関連する酸であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:クエン酸回路の構成成分であるため、嫌気的代謝と混同されやすいです。
国試ポイント
嫌気的代謝と好気的代謝の基本的なプロセスおよびそれぞれの主要な中間生成物を正確に理解しているかを問う問題です。特に、解糖系が酸素の有無に関わらず進行することと、その産物であるピルビン酸の代謝運命がポイントとなります。
混同注意
好気的代謝(TCAサイクルや電子伝達系)と嫌気的代謝(解糖系、乳酸発酵)の区別、およびそれぞれの主要な代謝産物が混同されやすいです。特に「酸」という言葉がつく物質が多く、判断を難しくしています。
次に同じ論点が出たら
同様の論点で出題された場合、各代謝経路(解糖系、TCAサイクル、電子伝達系)の出発物質、中間生成物、最終生成物、および各段階で酸素が必要か否かを問う選択肢に注目して判断します。
関連知識
解糖系のプロセス、TCAサイクルの全体像、乳酸発酵のメカニズム、ATP生成の仕組み、酸素消費の有無による代謝経路の違い。