Eriksonによる成人中期の心理的発達課題はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
エリクソンの発達段階論では、成人中期(およそ40歳から65歳)の主要な心理社会的課題は「生殖性(Generativity)対 停滞(Stagnation)」とされています。この「生殖性」は、単に生物学的な子孫を残すことだけでなく、次世代の育成、社会への貢献、創造的な活動を通じて自身の価値や意味を見出す広範な概念を指します。
選択肢ごとの解説
- 1. 「勤勉性 対 劣等感」は、学童期(約6歳から12歳)の発達課題であり、社会的な役割や学習能力の習得が中心となります。正しくは:勤勉性は学童期の発達課題です。選びやすい理由:エリクソンの発達段階として一般的な用語であるため、他の段階の課題と混同しやすいです。混同注意:他の発達段階の課題、特に児童期や青年期の課題と混同されることがあります。
- 2. 「同一性 対 同一性拡散」は青年期(約12歳から20歳)の発達課題であり、自己のアイデンティティ確立がテーマです。正しくは:同一性は青年期の発達課題です。選びやすい理由:自己の確立というテーマが成人期全体を通じて重要であるため、特定の時期に限定されにくいと感じるかもしれません。混同注意:青年期のアイデンティティ確立と、成人期以降の自己の再定義が混同されることがあります。
- 3. 「親密性 対 孤立」は成人早期(約20歳から40歳)の発達課題であり、深い人間関係の構築が中心となります。正しくは:親密性は成人早期の発達課題です。選びやすい理由:親密な関係性は成人期を通じて重要であるため、成人中期にも当てはまるように感じてしまうことがあります。混同注意:成人早期に形成される親密な関係と、成人中期における次世代への関与が混同されることがあります。
- 4. 正解。エリクソンの発達段階論における成人中期(約40歳から65歳)の心理社会的課題は「生殖性(世代性)対 停滞」です。この時期は、次世代の育成や社会貢献を通じて自己の存在意義を見出すことが重視されます。選びやすい理由:「生殖性」という言葉から、子を産むことのみを連想し、より広い意味での世代性(次世代の育成、社会への貢献)を捉えそこなうことがあります。混同注意:実際の肉体的な生殖活動と、次世代育成・社会貢献という広義の「世代性」が混同されることがあります。
- 5. 「自我の統合 対 絶望」は老年期(約65歳以降)の発達課題であり、自身の人生を振り返り、受け入れることがテーマです。正しくは:自我の統合は老年期の発達課題です。選びやすい理由:生涯にわたる自己の成熟という視点から、成人中期にも関連するように感じるかもしれません。混同注意:人生の最終段階における自己受容と、成人中期における次世代への関与が混同されることがあります。
国試ポイント
エリクソンの心理社会的発達段階論における各時期の発達課題を正確に覚えているかが問われています。特に、名称と時期の対応、そしてその課題の具体的な意味を理解しているかが重要です。
混同注意
エリクソンの発達段階は名称が類似しているものや、概念的に混同しやすいものが多いです。特に、親密性(成人早期)、生殖性(成人中期)、自我の統合(老年期)は成人期に連続して出現するため、時期と内容を混同しやすいため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の発達段階(乳児期、幼児前期、幼児後期、学童期、青年期、成人早期、老年期)の課題や、それぞれの課題がどのような意味を持つのかについて知識を確認することが求められます。
関連知識
エリクソンは生涯発達の視点から8つの段階を設定し、それぞれの段階で対立する2つの心理社会的な課題(例:信頼 対 不信)を乗り越えることでパーソナリティが発達すると考えました。各段階の年齢と課題を正確に把握しておく必要があります。