遂行機能障害に対する介入方法として最も適しているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
自己教示法は、遂行機能障害における計画性、問題解決能力、行動の自己調整などを改善するための認知行動療法です。患者自身が内的な対話を通じて問題解決プロセスを進めることを促し、遂行機能の障害に対して有効なアプローチとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. ペグ法は記憶術の一種であり、新しい情報を既存の知識(ペグ)と関連付けて覚えることで記憶の想起を助けます。遂行機能障害に対する直接的な介入方法ではありません。正しくは:記憶障害への介入方法です。選びやすい理由:認知機能全般に影響するため、遂行機能とも関連があるように感じるかもしれませんが、直接的な介入法ではありません。混同注意:記憶術と遂行機能障害への介入方法を混同しやすいです。
- 2. 正解。自己教示法(Self-instructional training)は、行動を開始する前や課題遂行中に、自分自身に課題解決に向けた具体的な指示や問いかけを行うことで、注意の維持、計画立案、問題解決能力を向上させる認知行動療法です。これは遂行機能障害、特に計画性や問題解決能力の改善に非常に有効な介入方法とされています。正しくは:記載の通り、遂行機能障害に対する計画性や問題解決能力を改善する有効な介入方法です。選びやすい理由:特になし。正答です。
- 3. 直接刺激法は、失語症に対する介入で用いられることが多く、特定の言語機能(例:語想起)を反復練習により直接的に刺激し、回復を目指す方法です。遂行機能障害への主要なアプローチではありません。正しくは:失語症など特定の言語機能障害への介入方法です。選びやすい理由:「刺激」という言葉から、脳機能を活性化させるイメージがあるため、遂行機能にも効果があるように思えるかもしれません。混同注意:失語症のリハビリテーションと遂行機能障害への介入を混同しやすいです。
- 4. 間隔伸張法(Spaced retrieval)は、記憶障害の介入で用いられる方法で、特定の情報を思い出す間隔を徐々に伸ばしていくことで、長期的な記憶の保持を促します。これは記憶機能に特化したアプローチであり、遂行機能障害への主要な介入ではありません。正しくは:記憶障害への介入方法です。選びやすい理由:学習やリハビリテーションの一環として広く用いられるため、遂行機能障害にも応用できると誤解しやすいです。混同注意:記憶訓練と遂行機能障害への介入方法を混同しやすいです。
- 5. 物語作成法は、記憶障害や認知症の方に対し、情報を物語として構成することで記憶の定着や想起を補助する方法です。これも記憶に特化したアプローチであり、遂行機能障害への直接的な介入ではありません。正しくは:記憶障害への介入方法です。選びやすい理由:創造性や構成力が遂行機能と関連すると考えるかもしれませんが、直接的な介入法ではありません。混同注意:記憶術と遂行機能障害への介入方法を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、認知機能障害の中でも特に「遂行機能障害」に対する具体的な介入方法の知識を問うものです。各介入方法がどのような認知機能障害に対応しているかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
記憶障害に対する介入方法(ペグ法、間隔伸張法、物語作成法)と、遂行機能障害に対する介入方法を混同しやすいです。また、失語症に対する介入方法(直接刺激法)も選択肢に含まれており、それぞれの適用対象を明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、遂行機能障害の他の介入方法(例:目標管理訓練GMT)や、他の認知機能障害(記憶、注意、失語など)に対する主要な介入方法を問う問題が出ると予想されます。また、具体的な事例を設定し、その事例に対して最も適切な介入を選択させる応用問題の形式も考えられます。
関連知識
遂行機能障害の定義(目標設定、計画立案、実行、効果の評価、修正の一連の過程における障害)。介入方法としては、自己教示法の他に、目標管理訓練(Goal Management Training: GMT)や、環境調整、外部からの促しなども挙げられます。記憶障害に対する介入方法(リハーサル、チャンキング、視覚イメージ法など)、注意障害に対する介入方法(注意訓練、環境調整など)、失語症に対する介入方法(発話練習、コミュニケーション支援など)も合わせて理解しておくことが望ましいです。