心筋梗塞に特徴的な心電図所見で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
心筋梗塞では、虚血により心筋細胞が壊死すると、その部位の心筋は電気的に活動しなくなり、Q波が異常に深く広くなる「異常Q波」として心電図に現れます。これは特に診断的価値が高い所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. F波の出現は心房細動で認められる不規則な基線波形、または心房粗動で認められるのこぎり状波形を指し、心筋梗塞に特徴的な変化ではありません。正しくは:心房細動または心房粗動でF波が認められる。選びやすい理由:様々な不整脈における異常波形と混同しやすいため。混同注意:心房細動や心房粗動
- 2. P波の増高は右心房負荷(右房拡大)でみられることがあり、心筋梗塞に直接特徴的な変化ではありません。正しくは:P波の増高は右心房負荷で見られる。選びやすい理由:心臓の負荷に関連する変化と混同しやすいため。混同注意:右心房負荷、右房拡大
- 3. QRS波の脱落は房室ブロックなどの伝導障害で認められ、心筋梗塞に特徴的な変化ではありません。ただし、広範囲な心筋梗塞で心拍出量が低下し、不整脈が生じることはあります。正しくは:QRS波の脱落は房室ブロックで見られる。選びやすい理由:重篤な心疾患で心電図に異常が現れるという共通認識から選択しやすい。混同注意:房室ブロック、重症不整脈
- 4. PQ間隔の延長は房室伝導時間の延長、すなわち房室ブロック(I度房室ブロック)で認められる所見であり、心筋梗塞に特徴的な変化ではありません。正しくは:PQ間隔の延長は房室ブロック(I度房室ブロック)で見られる。選びやすい理由:心臓の電気的活動の異常を示すため、一般的な心臓病変と関連付けてしまいやすい。混同注意:房室ブロック(I度)
- 5. 正解。心筋梗塞により心筋が壊死すると、壊死部位からの電気的活動が消失するため、心室興奮初期のベクトルが壊死部位から遠ざかる方向に偏り、異常Q波(幅が広く深いQ波)として記録されます。これは心筋梗塞の診断に非常に重要な所見です。選びやすい理由:心筋梗塞の主要な診断基準の一つであるため、正答として選びやすい。混同注意:正常Q波(狭く浅いQ波)
国試ポイント
心筋梗塞の心電図変化(特にST上昇、T波の平坦化・陰性化、異常Q波の出現)を正確に理解し、他の不整脈や虚血性心疾患との鑑別ができること。
混同注意
虚血性心疾患の病態における心電図変化(ST上昇、T波変化、Q波変化)と、不整脈(P波、QRS波の異常)による心電図変化を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
心電図で異常Q波、ST上昇、T波陰性化の有無を確認し、急性心筋梗塞か陳旧性心筋梗塞かを判断する。
関連知識
心筋梗塞では、時間経過とともに心電図変化が異なります。超急性期はT波の増高、急性期はST上昇、その後に異常Q波が出現し、T波が陰性化します。陳旧性心筋梗塞では異常Q波が残存することが多いです。