CRPSで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
CRPSは、通常の外傷や手術などによる組織損傷の程度では説明できないほどの、過剰で持続的な痛み、浮腫、皮膚温の変化、発汗異常、運動制限などの症状を特徴とする病態です。設問の選択肢5は、その最も本質的な特徴を正確に表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. CRPSは男性よりも女性に多く見られる疾患です。正しくは:CRPSは女性患者に多い傾向があります。選びやすい理由:一般的な疾患の性差に関する知識と混同しやすいですが、CRPSの疫学では女性に多いことが特徴です。混同注意:他の性差が顕著な疾患の知識
- 2. CRPSは若年層から中年層、特に働き盛りの年代に発症する傾向があり、高齢者に特に多いわけではありません。正しくは:CRPSは若年層から中年層に多く見られます。選びやすい理由:加齢による身体機能の低下や慢性疼痛と関連付けやすいですが、CRPSの好発年齢とは異なります。混同注意:加齢に伴う変性疾患や慢性疼痛の一般的なイメージ
- 3. CRPSで手関節に変形をきたす場合、多くは浮腫や炎症による組織の線維化により指が掌屈位で拘縮したり、手関節が掌屈位に固まることはありますが、手根背屈変形は一般的ではありません。特に特徴的なのは、指節間関節の屈曲拘縮や手関節の掌屈・尺側偏位による機能障害です。正しくは:CRPSでは浮腫や炎症により、指関節や手関節が掌屈位で拘縮することがあります。選びやすい理由:変形そのものは起こりうるため、どちらの方向かを見落としやすいです。混同注意:変形性関節症など他の疾患による関節変形の知識
- 4. 骨折後のCRPS発症率は、骨折の種類や部位によって異なりますが、一般的には1〜5%程度と報告されており、80%という数値は非常に過大評価です。正しくは:骨折後のCRPS発症率は1〜5%程度とされています。選びやすい理由:外傷との関連が強い疾患であるため、発症率が高いという記述に納得しそうになりますが、具体的な数値は誤りです。混同注意:外傷との関連性の強さと実際の統計数値
- 5. 正解。CRPSの診断基準(IASP基準やBudapest基準)において、組織損傷の程度に見合わない不釣り合いな疼痛は主要な診断項目の一つであり、その最も特徴的な症状です。
国試ポイント
CRPSの基本的な疫学、病態生理、そして特に診断基準に直結する特徴的な症状が問われています。特に「外傷に不釣り合いな疼痛」というキーワードは重要です。
混同注意
CRPSの症状は多岐にわたるため、他の神経障害性疼痛や慢性疼痛疾患との鑑別が重要です。特に、疼痛の程度と原因となる外傷の不釣り合いさが診断の鍵となります。
次に同じ論点が出たら
次にCRPSに関する問題が出た場合、診断基準の各項目(疼痛、感覚、血管運動性、発汗・浮腫、運動・栄養変化)の具体的な症状や、病型(CRPS-I/RSD、CRPS-II/カウザルギー)の違いが問われる可能性があります。また、治療法(薬物療法、リハビリテーション、神経ブロックなど)についても確認が必要です。
関連知識
CRPSの診断基準(Budapest基準が最新かつ広く用いられている)、疼痛のメカニズム(特に中枢性過敏化)、自律神経症状(血管運動性、発汗異常)、運動症状(筋力低下、震え、ジストニア)。