糖尿病患者の低血糖発作時の症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
低血糖発作が起こると、体は血糖値を上げようとして交感神経を刺激します。この刺激により、アドレナリンなどのホルモンが分泌され、心拍数の増加(動悸)、発汗、手の震え(振戦)、不安感といった症状が現れます。これらは警告症状とも呼ばれ、低血糖を初期に認識するための重要な兆候です。
選択肢ごとの解説
- 1. 低血糖発作では一般的に胸痛は主要な症状ではありません。心臓関連の症状としては、動悸などがありますが、胸痛は虚血性心疾患などの可能性を示唆します。正しくは:低血糖では胸痛ではなく、動悸や冷や汗、振戦、倦怠感などが現れることが多いです。選びやすい理由:症状が多岐にわたるため、可能性の一つと考えるかもしれませんが、典型的な症状とは異なります。混同注意:狭心症などの心臓疾患による胸痛と混同しやすいです。
- 2. 口渇は高血糖の症状(多飲、多尿、口渇の3多症状)としてよく知られています。低血糖時には通常見られません。正しくは:低血糖では口渇ではなく、血糖値の急激な低下により、自律神経症状(発汗、振戦、動悸など)や中枢神経症状(頭痛、倦怠感、意識障害など)が中心となります。選びやすい理由:糖尿病患者の症状として口渇は有名であるため、無意識に選んでしまう可能性があります。混同注意:高血糖時の多飲・口渇と混同しやすいです。
- 3. 正解。低血糖発作時には、血糖値の急激な低下を感知した体が、アドレナリンなどのカテコラミンを分泌することで、心拍数の増加(動悸)、発汗、振戦などの交感神経刺激症状が現れます。これは血糖値を上げようとする生体反応の一部です。正しくは:正答のため修正不要です。
- 4. 腹痛は低血糖の典型的な症状ではありません。消化器系の症状としては、吐き気や嘔吐が稀に見られることがありますが、腹痛は一般的ではありません。正しくは:低血糖では腹痛よりも、発汗、動悸、めまい、意識障害などが主な症状となります。選びやすい理由:体調不良全般で腹痛を訴えることがあるため、選びたくなるかもしれませんが、低血糖の特異的な症状ではありません。混同注意:他の消化器疾患による腹痛や、糖尿病性ケトアシドーシスなどの合併症による腹痛と混同する可能性があります。
- 5. 手のしびれは、糖尿病性神経障害の症状として現れることがありますが、低血糖発作の急性期に現れる直接的な症状としては一般的ではありません。神経障害は慢性的な高血糖によって引き起こされます。正しくは:低血糖発作の急性期にはしびれよりも、振戦(手の震え)や脱力感などが多く見られます。選びやすい理由:糖尿病の合併症として神経障害が有名であるため、しびれを関連付けてしまうかもしれません。混同注意:糖尿病性神経障害によるしびれと混同しやすいです。
国試ポイント
糖尿病患者の低血糖発作時の症状を問う問題は頻出です。特に、高血糖時の症状(多飲、多尿、口渇)との違いを明確に理解しているかが試されます。低血糖の初期症状である交感神経刺激症状(アドレナリン作動性症状)と、血糖値がさらに低下した際に現れる中枢神経症状(神経低血糖症状)の両方を把握しておくことが重要です。
混同注意
高血糖時の症状(多飲、多尿、口渇、倦怠感など)と混同しやすい。また、脳卒中や心臓病などの他の緊急疾患の症状と区別する知識も求められる。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合は、低血糖の『原因』や『対応(初期対応、医療介入)』、あるいは『高血糖との鑑別』について問われる可能性が高い。また、小児や高齢者、妊婦など、特定の対象者における低血糖の特徴についても注意が必要である。
関連知識
低血糖の定義(血糖値70mg/dL未満)、低血糖発作の原因(インスリン過剰、食事摂取不足、運動量過多など)、低血糖時の対応(ブドウ糖摂取)、低血糖性昏睡に至る経過。また、無自覚性低血糖の危険性とその症状(警告症状が乏しい)。