Duchenne型筋ジストロフィーの患者が床から立ち上がる様子を図に示す。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類によるステージはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類(8段階)は、ステージ1・2が階段昇降可能(ステージ2は手すりなどの支持が必要)、ステージ3が椅子からの起立が可能、ステージ4が歩行可能、ステージ5が起立・歩行は不可能だが四つ這いが可能、ステージ6が四つ這いは不可能だがいざりが可能、ステージ7がいざりは不可能だが座位保持が可能、ステージ8が座位保持も不可能な段階です。図では登はん性起立(Gowers徴候)を用いながらも床から自力で立ち上がれており、選択肢の中ではステージ2が該当します(公式正答1)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。図の患者は登はん性起立を用いながらも床から自力で立ち上がれており、階段昇降が可能な段階(ステージ2)に該当します。
- 2. ステージ4は歩行は可能ですが、床からの立ち上がりは困難となっている段階で、図のように床から自力で起立できる段階より進行しています。正しくは:Gowers徴候が見られるのはステージIVです。ステージVでは歩行自体が不可能で、床からの起立はできません。選びやすい理由:症状が進行しているように見えるため、より重度のステージを選んでしまいがちですが、Gowers徴候はまだ自立歩行が可能な段階で見られる特徴です。混同注意:ステージIVとVの区別、特に自立歩行の可否と起立動作の困難さの区別で迷う可能性があります。
- 3. ステージ5は起立・歩行が不可能で四つ這いが可能な段階で、図のように立ち上がることはできません。正しくは:Gowers徴候はステージIVで見られる所見です。ステージVIでは上肢機能も著しく低下し、起立は困難です。選びやすい理由:病状が重いという漠然としたイメージで、さらに進行したステージを選んでしまうかもしれません。混同注意:各ステージの具体的な身体機能レベル、特に起立動作と上肢機能の関連で混乱しやすいです。
- 4. ステージ6は四つ這いも不可能で、いざりが可能な段階です。図のように立ち上がることはできません。正しくは:Gowers徴候はステージIVの初期段階で見られる特徴です。ステージVIIは生命維持に関わる重篤な段階です。選びやすい理由:進行性の疾患であるため、重度のステージを選択してしまう誘惑があるかもしれませんが、Gowers徴候の有無が判断基準です。混同注意:疾患の進行度合いと、その進行度合いにおける具体的な身体機能の関連性について混乱する可能性があります。
- 5. ステージ8は座位保持も不可能な段階です。図のように立ち上がることはできません。正しくは:Gowers徴候はステージIVで観察される症状です。ステージVIIIでは全身管理が必要な状態です。選びやすい理由:疾患の末期的なイメージから、最重度のステージを選んでしまいがちですが、Gowers徴候は特定の機能レベルを示すサインです。混同注意:症状の重症度と、特定の動作が可能な段階との区別が曖昧になりやすいです。
国試ポイント
Duchenne型筋ジストロフィーの機能障害度分類と、それに伴う特徴的な症状(特にGowers徴候)が問われる問題です。各ステージの具体的な身体機能レベルを理解しているか、画像からGowers徴候を認識できるかが重要になります。
混同注意
各ステージの境界が曖昧になりやすく、特に「歩行はできるが起立困難」というステージIVと、「歩行不能」なステージVの区別で迷いやすい。また、Gowers徴候がどのくらいの重症度で出現するのかを正確に把握していないと誤答につながる。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、Gowers徴候だけでなく、各ステージにおける具体的な身体機能(歩行能力、ADL自立度、呼吸機能、上肢機能など)や、他の代表的な筋疾患(Becker型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーなど)の病態・特徴を問う問題にも対応できるように準備する必要がある。
関連知識
Duchenne型筋ジストロフィーの病態、進行段階、主要症状(Gowers徴候、Trendelenburg徴候、偽性肥大など)、厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類(ステージI〜VIII)の各定義。