Brown-Séquard症候群で損傷髄節よりも下位の反対側に現れる症状はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
Brown-Séquard症候群は脊髄の片側損傷によって引き起こされる症候群です。錐体路は脊髄内で交差せず同側性に下降するため、損傷髄節より下位では同側性の運動麻痺が起こります。後索路(触覚、深部覚)も脊髄内では交差せず同側性に上行するため、損傷髄節より下位では同側性の触覚障害や深部覚障害が生じます。一方、外側脊髄視床路(痛覚、温度覚)は脊髄に入った後、対側に交差してから上行するため、損傷髄節より下位では対側性の痛覚・温度覚障害が出現します。したがって、損傷髄節より下位の反対側に現れる症状は痛覚障害と温度覚障害です。
選択肢ごとの解説
- 1. 運動麻痺は、錐体路の障害によって生じます。錐体路は同側性に下降するため、損傷髄節より下位では同側性に運動麻痺が現れます。正しくは:運動麻痺は、損傷髄節より下位の同側に現れます。選びやすい理由:麻痺という重大な症状であるため、選択肢として目を引きやすいですが、Brown-Séquard症候群における局在を理解しているかが問われます。混同注意:他の脊髄障害における運動麻痺の局在と混同しやすいです。Brown-Séquard症候群では錐体路の障害により同側性の運動麻痺が生じます。
- 2. 触覚(特に識別触覚)は後索を上行し、脊髄内で交差せず、脳幹で交差するため、損傷髄節より下位では同側性の触覚障害が現れます。粗大触覚は脊髄内で部分的に交差しますが、Brown-Séquard症候群の典型的な対側症状としては優先されません。正しくは:触覚障害は、損傷髄節より下位の同側に現れます。選びやすい理由:感覚障害の一種であるため、他の感覚障害と混同して選択してしまう可能性があります。混同注意:痛覚・温度覚とは脊髄での交差部位が異なるため、その違いを混同しやすいです。触覚は主に後索路を通るため同側性です。
- 3. 正解。痛覚を伝える外側脊髄視床路は、脊髄に入った後、損傷髄節と同じ高さか数髄節上で対側に交差し上行します。そのため、損傷髄節より下位では対側性に痛覚障害が現れます。
- 4. 正解。温度覚を伝える外側脊髄視床路は、脊髄に入った後、損傷髄節と同じ高さか数髄節上で対側に交差し上行します。そのため、損傷髄節より下位では対側性に温度覚障害が現れます。
- 5. 深部覚(位置覚、振動覚など)は後索を上行し、脊髄内で交差せず、脳幹で交差するため、損傷髄節より下位では同側性の深部覚障害が現れます。正しくは:深部覚障害は、損傷髄節より下位の同側に現れます。選びやすい理由:これも感覚障害の一種であるため、他の感覚障害と混同して選択してしまう可能性があります。混同注意:痛覚・温度覚とは脊髄での交差部位が異なるため、その違いを混同しやすいです。深部覚は後索路を通るため同側性です。
国試ポイント
Brown-Séquard症候群における各感覚路・運動路の脊髄内での走行と交差部位を正確に理解しているかを問う問題です。特に、損傷髄節の『同側・対側』と『下位・同レベル』における症状の組み合わせを理解しておく必要があります。
混同注意
脊髄内の各伝導路(錐体路、後索路、脊髄視床路など)の走行と交差部位、そしてそれらが損傷された場合の症状の出現部位(同側か対側か、損傷レベルか下位か)を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、Brown-Séquard症候群だけでなく、脊髄中心症候群、前脊髄動脈症候群、脊髄癆など、他の代表的な脊髄症候群における病巣と症状の対応関係についても問われる可能性があります。また、感覚障害の種類と、どの神経路を介して伝わるのかを問う問題も出題されやすいです。
関連知識
・脊髄半側損傷(Brown-Séquard症候群)の病態生理 ・錐体路の走行とその機能 ・後索路(薄束・楔状束)の走行とその機能 ・脊髄視床路(前脊髄視床路・外側脊髄視床路)の走行とその機能 ・各伝導路の交差部位とレベル