社会生活技能訓練〈SST〉の説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
SSTでは、行動変容を促し、学習者の自信を高めるために、具体的な良い点や目標行動を達成できた部分について、肯定的な言葉でフィードバック(正のフィードバック)を与えることが非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. SSTのロールプレイは、単に自由に演じるだけでなく、特定の目標行動を意識し、指導者の指示やフィードバックに基づいて調整しながら行われます。無秩序な自由演技ではありません。正しくは:ロールプレイは、具体的な目標設定に基づき、指導者の指示やフィードバックを受けながら行われる。選びやすい理由:一般的な演劇やグループ活動でのロールプレイは自由な発想を重視するため、誤って選びやすい。混同注意:一般的なロールプレイングとSSTにおける構造化されたロールプレイの目的・実施方法。
- 2. 正解。SSTでは、参加者のモチベーションを高め、学習を促進するために、うまくいった点や努力に対して具体的な肯定的なフィードバック(正のフィードバック)を積極的に行います。
- 3. SSTにおいてモデリング(お手本を示すこと)は、参加者が望ましい行動を具体的に理解し、学習するための重要な要素です。最小限にとどめるのではなく、積極的に活用されます。正しくは:モデリングは、望ましい行動を参加者に具体的に示すために積極的に活用される。選びやすい理由:参加者の自発性を重んじるという考え方から、モデリングを抑えるべきだと誤解する可能性がある。混同注意:モデリングの重要性と、一般的な自立支援のアプローチ。
- 4. SSTは社会生活技能の獲得を目指す訓練であり、実際の状況に近い課題に取り組むため、適度なストレスや緊張が生じるのは避けられません。完全にストレスがかからない技法ではありませんが、対処可能な範囲で安全な環境が提供されます。正しくは:SSTは、現実の社会状況を想定した訓練であるため、適度なストレスや緊張が生じるが、それを乗り越える経験を積むことが目的の一つである。安全な環境で支援しながら行う。選びやすい理由:リラクゼーション技法などと混同し、訓練全般がストレスフリーであるべきだと考える可能性がある。混同注意:ストレス軽減を目的とした介入と、技能獲得を目的とした訓練の性質の違い。
- 5. SSTのモジュールは、特定の技能(例:頼み方、断り方)を段階的に学習するための構造化されたプログラムです。事前に実践経験がなくても、モジュールに沿って学習を進めることが可能です。正しくは:モジュール(技能単位)は、社会生活技能を体系的に学ぶための構成要素であり、経験の有無にかかわらず、段階的に学習を進めることができる。選びやすい理由:一般的に、ある程度の経験があった方が学習効果が高いという考えから、誤って選択しやすい。混同注意:経験学習とSSTにおける構造化された技能学習の進め方。
国試ポイント
社会生活技能訓練(SST)の基本的な技法や原則について理解しているかを問う問題です。特に、フィードバック、モデリング、ロールプレイの実施方法に関する知識が重要になります。
混同注意
SSTは他のグループセラピーやカウンセリング手法と混同されがちですが、行動療法に基づいた構造化された訓練である点が特徴です。特に、自由な対話よりも具体的な技能の習得に重点を置きます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、SSTの各ステップ(導入、モデリング、ロールプレイ、フィードバック、ホームワーク)の具体的な内容や、それぞれのステップにおける指導者の役割について問われる可能性があります。また、肯定的なフィードバックだけでなく、建設的な改善点の提示(修正フィードバック)の重要性も理解しておくべきです。
関連知識
SSTの主要な構成要素(導入、モデリング、ロールプレイ、フィードバック、ホームワーク)とその目的。各要素の具体的な実施方法。対象疾患や適用場面。