心筋の再分極に最も影響するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心筋細胞の再分極は、活動電位のプラトー相が終了した後、細胞膜透過性がカリウムイオン(K+)に対して増加し、K+が細胞内から細胞外へ流出することで膜電位が休息電位に向けて負の方向に変化する過程です。したがって、K電流が再分極に最も大きく影響します。
選択肢ごとの解説
- 1. Ca電流は活動電位のプラトー相(持続相)に寄与しますが、再分極を直接引き起こす主要な電流ではありません。再分極時には、Caチャネルは不活性化し、Ca流入は減少します。正しくは:Ca電流は活動電位の立ち上がりとプラトー相に影響します。選びやすい理由:活動電位の期間延長に関わるため、再分極に関与するように見えるかもしれません。混同注意:活動電位の立ち上がりやプラトー相に影響するNa電流やCa電流と混同しやすいです。
- 2. 正解。心筋細胞の再分極は、主にカリウムイオン(K+)が細胞外へ流出することで膜電位が負の方向に戻される現象です。活動電位のプラトー相終盤から再分極相にかけて、K+チャネルが活性化し、K+の流出が増加します。正しくは:この選択肢は正しいです。
- 3. Na電流は心筋細胞の活動電位の急速な立ち上がり(脱分極相)に主要な役割を果たしますが、再分極にはほとんど関与しません。活動電位の立ち上がり直後にNaチャネルは不活性化します。正しくは:Na電流は活動電位の急速な立ち上がり(脱分極)に関与します。選びやすい理由:活動電位の発生に不可欠なイオンであるため、再分極にも関与すると錯覚する可能性があります。混同注意:活動電位の立ち上がり(脱分極)に関与するイオンと混同しやすいです。
- 4. 「細胞外電流」という用語は広範で曖昧であり、特定のイオンの動きを指すものではありません。活動電位の変化は細胞膜を介した特定のイオンの移動によって引き起こされます。正しくは:再分極は特定のイオンが細胞膜を通過することで発生します。選びやすい理由:心電図などで観察される体表面の電位変化と混同し、心筋細胞内の現象と結びつけて考えてしまう可能性があります。混同注意:細胞膜内外のイオンの流れによる電位変化と、細胞外で記録される電位変化を混同する可能性があります。
- 5. ペースメーカー電流(I_f電流など)は、主に洞房結節や房室結節といった特殊な興奮伝導系細胞において、活動電位が自然発生する『拡張期脱分極』に関与する電流です。一般的な心室筋細胞の再分極とは直接関係ありません。正しくは:ペースメーカー電流は、洞房結節などの自動能を持つ細胞の自発的脱分極に関与します。選びやすい理由:心臓の電気活動全体に関わるため、再分極にも関係すると思うかもしれませんが、役割が異なります。混同注意:心臓の自動能に関わる電流と、心室筋などの作業心筋細胞の活動電位の再分極に関わる電流を混同しやすいです。
国試ポイント
心筋細胞の活動電位の各相(脱分極、プラトー、再分極)に関わる主要なイオン電流とその役割を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、再分極はK+の流出が重要である点を把握しておく必要があります。
混同注意
活動電位の立ち上がりに重要なNa電流や、プラトー相を維持するCa電流と、再分極に関わるK電流を混同しやすい。また、ペースメーカー細胞の活動電位と作業心筋細胞の活動電位の違いも認識しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、この論点が出題される場合は、各イオンチャネルの遺伝子異常が引き起こす不整脈(例:QT延長症候群)や、薬理作用によるチャネル阻害剤(例:抗不整脈薬)の作用機序など、臨床応用と結びつけた問題が出題される可能性があります。また、ペースメーカー細胞の活動電位と作業心筋細胞の活動電位の比較問題も考えられます。
関連知識
心筋活動電位の各相(0相:Na流入、1相:K流出、2相:Ca流入とK流出の均衡、3相:K流出、4相:Kチャネルによる静止膜電位の維持)。心電図の波形(P波、QRS波、T波)と活動電位の関連性。