交感神経の機能で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
交感神経の興奮は、遠方視のために水晶体を薄くする作用があります。これは、毛様体筋の弛緩とチン小帯の緊張によるものです。他の選択肢は、消化器系の活動促進や心機能低下、グリコーゲン合成促進といった副交感神経の作用、または交感神経の作用と逆の記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 膵液の分泌は主に副交感神経(迷走神経)の刺激によって促進されます。交感神経は通常、消化管の活動を抑制します。正しくは:膵液の分泌は副交感神経によって促進される。選びやすい理由:自律神経が全身の機能に関わるため、特定の消化腺の分泌も促進するように誤解しがちですが、消化器系の活動は副交感神経が優位です。混同注意:副交感神経の働きと混同しやすい。
- 2. 交感神経は心臓のβ1受容体を刺激し、心拍数と心収縮力を増加させます。心収縮力を低下させるのは副交感神経の強い刺激や特定の薬剤作用です。正しくは:交感神経は心収縮力を増加させる。選びやすい理由:自律神経の抑制作用もあるため、心臓に対しても抑制的に働く場面があるのではと考えるかもしれませんが、心機能亢進が交感神経の代表的な作用です。混同注意:副交感神経の心臓に対する作用と混同しやすい。
- 3. 交感神経は消化管の運動を抑制するため、直腸平滑筋を弛緩させます。排便を促す直腸平滑筋の収縮は副交感神経が関与します。正しくは:直腸の平滑筋を弛緩させる。選びやすい理由:自律神経が体の各部位を調整するため、収縮作用もあると誤解しやすいですが、消化管の収縮は副交感神経優位です。混同注意:副交感神経の消化管運動に対する作用と混同しやすい。
- 4. 正解。交感神経が刺激されると、毛様体筋が弛緩し、チン小帯が緊張します。これにより水晶体が引っ張られて薄くなり、遠方を見るのに適した状態になります。選びやすい理由:眼の調節機能は副交感神経との連携が複雑で、混乱しやすいポイントです。混同注意:副交感神経による水晶体の厚み増加(近見調節)と混同しやすい。
- 5. 交感神経はストレス時や活動時に優位になり、エネルギー源を確保するため、肝臓でのグリコーゲン分解(糖新生)を促進して血糖値を上昇させます。グリコーゲン合成はエネルギー貯蔵モードであり、主に副交感神経やインスリンの作用です。正しくは:肝臓でのグリコーゲン分解を促進する。選びやすい理由:肝臓の代謝機能も自律神経の影響を受けるため、合成も促進すると勘違いしやすいですが、緊急時には分解が優先されます。混同注意:副交感神経の作用やインスリンの作用と混同しやすい。
国試ポイント
自律神経系(交感神経と副交感神経)の各臓器に対する作用について、正確な知識が問われています。特に、逆の作用を持つことが多い両者の違いを理解しているかが重要です。
混同注意
交感神経と副交感神経の作用が対照的であるため、それぞれの臓器に対する効果を混同しやすい。特に、消化器系、心臓、眼の調節機能については注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後も自律神経の各臓器への作用は頻出のため、消化管運動、心拍数・収縮力、瞳孔径、膀胱機能、汗腺、血管収縮・拡張など、主要な臓器における交感神経と副交感神経それぞれの作用を網羅的に確認すること。
関連知識
自律神経系の解剖学的経路、神経伝達物質(アセチルコリン、ノルアドレナリン)と受容体の種類(アドレナリン受容体、ムスカリン受容体、ニコチン受容体)、各受容体拮抗薬・作動薬の作用。