睡眠衛生指導で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
選択肢2の「起床したらすぐに窓のカーテンを開け、朝日を浴びるように促すこと」は、睡眠衛生において非常に重要な指導内容です。朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整えられます。これは、適切なメラトニン分泌の調整にも繋がり、質の高い睡眠を維持するために不可欠な要素です。
選択肢ごとの解説
- 1. 長すぎる昼寝(特に2時間を超えるもの)は、夜間の深い睡眠を妨げ、睡眠サイクルを乱す原因となるため、睡眠衛生上は推奨されません。一般的に、昼寝をする場合は20~30分程度の短い仮眠が推奨されます。正しくは:昼寝は20~30分程度の短い仮眠に留めるよう指導する。選びやすい理由:昼寝自体は疲労回復に役立つと考えられがちですが、「2時間程度」という長さが不適切です。短時間の仮眠であれば有効なため、そこを混同して選びやすいでしょう。混同注意:短時間のパワーナップ(仮眠)の有効性と、長時間の昼寝が夜間睡眠に与える悪影響が混同されやすいです。
- 2. 正解。朝、明るい光を浴びることは、体内時計をリセットし、覚醒ホルモンであるセロトニン(後に睡眠ホルモンであるメラトニンに変換)の分泌を促進する効果があります。これにより、規則正しい睡眠・覚醒リズムの形成に役立ち、質の良い睡眠につながります。
- 3. 睡眠衛生の観点から、最も重視されるのは「毎日同じ時間に起床する」ことであり、就寝時間については「眠くなってから床に入る」ことが適切とされます。無理に決められた時間に就寝しようとすると、かえって入眠困難を引き起こす可能性があります。正しくは:毎日同じ時間に起床し、眠気を感じてから床に就くよう指導する。選びやすい理由:規則正しい生活リズムを保つことは睡眠衛生の基本であるため、就寝時間も一定にすべきだと考える人が多いため、選びやすいです。しかし、より重要なのは起床時間であり、無理な就寝時間設定は逆効果になる場合があります。混同注意:規則正しい生活リズムの重要性と、眠気がないのに無理に就寝することの区別が混同されやすいです。特に、「毎日同じ時間に起床する」ことと「毎日同じ時間に就寝する」ことの優先順位が混同されます。
- 4. アルコールは一時的に入眠を早める効果があるものの、その後の睡眠の途中で覚醒しやすくなったり、深い睡眠(レム睡眠)を減少させたりするなど、睡眠の質を著しく低下させます。また、アルコールへの依存につながる可能性もあるため、睡眠薬代わりに使用することは避けるべきです。正しくは:眠れない時には寝酒を避け、リラックスできる温かい飲み物(カフェインを含まない)を飲むなど、別の方法を試すよう指導する。選びやすい理由:寝酒で眠りやすくなったという経験を持つ人がいるため、一時的な入眠効果に注目して選びやすいです。混同注意:アルコールによる一時的な鎮静作用と、その後の睡眠の質の低下や依存性、健康への悪影響が混同されやすいです。
- 5. 夜間、特に就寝前に強い光(特にブルーライトを発するスマートフォンやPCの画面など)を浴びると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されます。これにより、体内時計が乱れ、寝つきが悪くなる原因となるため、就寝前は部屋の照明を暗くするなどして光刺激を避けるべきです。正しくは:夜間は就寝の1~2時間前から照明を落とし、間接照明などでリラックスできる環境を整えるよう指導する。選びやすい理由:日中の活動を夜遅くまで続ける生活習慣を持つ人が、睡眠前の環境整備の重要性を認識していない場合に選びやすいです。混同注意:朝の光が覚醒を促す効果と、夜の光が睡眠を妨げる効果が混同されやすいです。
国試ポイント
この問題は、睡眠衛生に関する基本的な知識、特に体内時計の調整、生活習慣、環境整備の重要性を問うものです。個々の選択肢が睡眠に与える影響を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
昼寝の長さ(短時間の仮眠はOK、長時間はNG)、就寝時間と起床時間のどちらを厳守すべきか(起床時間の方が優先度が高い)、アルコールの睡眠への影響(一時的な入眠効果と質の低下)、夜間の光が睡眠に与える影響などが混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、具体的な時間(例:昼寝の時間、就寝前の光を避ける時間)、特定の物質(アルコール、カフェイン)の影響、行動の優先順位(起床時間の固定、眠気を感じてからの就寝)に注目し、それぞれが睡眠に与える影響を正しく評価することが重要です。
関連知識
メラトニン(睡眠ホルモン)、セロトニン(覚醒や気分に関与)、体内時計(サーカディアンリズム)、ブルーライトのメラトニン分泌抑制効果、カフェインやアルコールが睡眠に与える影響、温熱環境の調整、寝具の選択。