Danielsらの徒手筋力テスト(段階3)の対象者の体位で正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、矢印は対象者の運動方向を示す。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
Danielsらの徒手筋力テストの段階3の検査肢位として正しいのは、1(体幹屈曲:背臥位で頭部・肩甲骨を持ち上げる)と3(肩甲骨内転と下方回旋:腹臥位で手背を腰に置いた肢位から手を持ち上げる)です(公式正答1・3)。2(肩伸展)、4(手関節伸展)、5(股関節屈曲、外転、外旋と膝屈曲)は、段階3として図の肢位・運動方向が規定と異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。体幹屈曲の段階3は、背臥位で両上肢を胸の前で組み、肩甲骨下角が床から離れるまで体幹を屈曲させる肢位で、図は規定どおりです。選びやすい理由:頚部屈曲は多くの人が日常的に行う動きであり、重力に抗する運動であると直感的に理解しやすい。混同注意:重力除去位での頚部屈曲(側臥位での頚部屈曲)との混同。
- 2. 肩伸展の段階3は、腹臥位で上肢を体側に置き、手掌を上に向けて上肢を挙上させる肢位で行います。図の肢位・運動方向は規定と異なります。正しくは:肩伸展のMMT段階3では、腹臥位で腕を体幹に沿わせて挙上する。この図では完全に重力に抗する動きと断言しにくい。選びやすい理由:肩伸展は一般的な運動であり、腹臥位で腕を挙上することは重力に抗すると考えられやすい。しかし、図の検査者の手による補助の有無や目的を誤解する可能性がある。混同注意:MMT段階2(重力除去位)の検査方法。この図は部分的に重力除去位に近い状態で行っている可能性がある。
- 3. 正解。肩甲骨内転と下方回旋の段階3は、腹臥位で手背を腰部に置いた肢位から手を背部から持ち上げさせる方法で、図は規定どおりです。選びやすい理由:肩甲骨の動きは複雑であるが、腹臥位での運動は重力の影響を受けやすいと判断できるため、選びやすい。混同注意:肩甲骨の外転・上方回旋のMMT検査肢位。
- 4. 手関節伸展の段階3は、前腕回内位で手関節を伸展させる肢位で行います。図の肢位・運動方向は規定と異なります。正しくは:手関節屈曲のMMT段階3は、前腕を垂直にし、手関節が地面に平行になるようにして行う。その状態で手関節を屈曲させると重力に抗する動きとなる。選びやすい理由:手関節の運動は日常的に行われるため、検査肢位の細かい違いを見落としやすい。運動方向の矢印だけを見て判断してしまう可能性がある。混同注意:MMT段階2(重力除去位での全可動域運動)の検査方法。
- 5. 股関節屈曲、外転、外旋と膝屈曲(縫工筋)の段階3は、座位で踵を対側下腿の前面に沿って滑らせる肢位で行います。図の肢位は規定と異なります。正しくは:股関節屈曲・外転・外旋および膝関節屈曲のMMT段階3は、大腿部が浮いた状態で重力に抗して運動させる体位で行われる。選びやすい理由:複合運動であり、すべての要素が重力除去位であるか判断しにくい。膝屈曲の動きは重力の影響を受けやすいと考えられがちだが、この体位では重力除去位である。混同注意:MMT段階2(重力除去位での全可動域運動)の検査方法。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)の段階における重力と抵抗の関係、および各関節運動の評価肢位を理解しているかが問われる。
混同注意
MMT段階2(重力除去位での全可動域運動)と段階3(重力に抗して全可動域運動)の区別が混同しやすい。また、各関節運動が重力に抗する運動となる具体的な肢位の判断も重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず、提示されている運動がどの関節のどのような動きであるかを特定する。次に、その動きが重力に抗する運動となる体位であるかを確認することで、MMT段階3の評価肢位として適切かどうかを判断する。
関連知識
MMTの段階付け(0〜5)の基準と、各段階における具体的な検査方法(重力の影響、抵抗の有無)を正確に理解しておく必要がある。特に、重力除去位と重力に抗する肢位での運動方向を把握することが重要。