錐体路について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
錐体路は、大脳皮質から直接脳幹・脊髄へと下行する随意運動の伝導路であり、大脳基底核を経由することはありません。大脳基底核は運動の調整や計画に関与する部位であり、錐体路とは異なる機能を持つ経路です。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。錐体路(皮質脊髄路)は、主に大脳皮質の一次運動野(中心前回)から始まります。正しくは:正しい記述なので修正の必要はありません。選びやすい理由:錐体路の起点に関する基本的な知識であり、正しく認識していればこの選択肢を誤りとは判断しません。混同注意:錐体路の起始部を他の神経路(例: 錐体外路系)と混同すること。
- 2. 正解。この記述は誤りです。錐体路は直接大脳皮質から脳幹、脊髄へと下行し、大脳基底核を経由しません。大脳基底核は運動の調節に関与しますが、錐体路の直接的な伝導路ではありません。正しくは:大脳基底核を介さずに、直接、大脳皮質から脳幹、脊髄へと伝導されます。選びやすい理由:大脳基底核も運動制御に深く関わるため、運動に関わる神経路の一部として無意識に正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:錐体路と錐体外路系、あるいは大脳基底核が関与する他の運動制御回路との混同。錐体路は随意運動の直接的な伝達路であり、基底核は運動の円滑化や調節に関与する点が異なります。
- 3. この記述は正しいです。錐体路の線維は、中脳の腹側にある大脳脚(皮質脊髄路と皮質延髄路の線維束を含む)を通過して下行します。正しくは:正しい記述なので修正の必要はありません。選びやすい理由:脳の解剖学的な経路に関する詳細な知識がない場合、判断に迷うかもしれませんが、正解ではないため選ばないでしょう。混同注意:脳幹の他の部位(橋、延髄)の経路との混同。
- 4. この記述は正しいです。錐体路の線維の約80〜90%は、延髄の錐体交叉で対側に交差し、脊髄側索を下行する外側皮質脊髄路となります。正しくは:正しい記述なので修正の必要はありません。選びやすい理由:錐体路の最も特徴的な構造の一つであるため、この知識があれば誤りとは判断しないはずです。混同注意:脊髄前索を下行する前皮質脊髄路(約10%が延髄で交差しないか、脊髄レベルで交差する)との比率や、他の交差部位との混同。
- 5. この記述は正しいです。錐体路の線維は脊髄に到達し、主に脊髄前角(運動ニューロンが存在する部位)の介在ニューロンを介して、または直接運動ニューロン(α運動ニューロンやγ運動ニューロン)とシナプスを形成します。正しくは:正しい記述なので修正の必要はありません。選びやすい理由:脊髄前角が運動ニューロンの主要な部位であることを知っていれば、この選択肢を誤りとは判断しません。混同注意:感覚神経のシナプス部位(脊髄後角など)や、他の神経路の終末部位との混同。
国試ポイント
錐体路の起始、走行、主要な経由部位、および終末部位に関する基本的な解剖学的知識が問われています。特に、大脳基底核が錐体路の直接的な経由路ではない点が重要なポイントです。
混同注意
錐体路と錐体外路系の違い、特にそれぞれの経由部位(基底核の関与の有無)や機能(随意運動の直接伝達 vs 運動の調節)が混同されやすいです。また、脊髄前角と後角の機能の違いも混同源となり得ます。
次に同じ論点が出たら
錐体路の解剖学的経路だけでなく、錐体路が損傷した場合にどのような症状(例:痙性麻痺、バビンスキー反射)が生じるか、また錐体外路系損傷との症状の違い(例:不随意運動、固縮)を問う問題が出題される可能性があります。さらに、特定の疾患(例:脳卒中、パーキンソン病)と関連付けて、どの神経路が影響を受けるかを問う形も考えられます。
関連知識
錐体外路系の主要な経路(赤核脊髄路、前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)、大脳基底核の構成要素と機能(線条体、淡蒼球、黒質、視床下核)、各神経路の損傷時の症状。