深部静脈血栓予防について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
深部静脈血栓症は、下肢の静脈に血栓が形成される病態で、肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。その予防には、静脈血流の停滞を防ぐことが重要です。選択肢1, 2, 3, 5は、いずれも静脈血流を促進し、血栓形成リスクを低減する効果があるため、予防策として適切です。一方、選択肢4の「長時間の座位保持」は、下肢の筋肉ポンプ作用が不十分となり、静脈血流が停滞するため、血栓形成のリスクを高めてしまいます。そのため、これは予防策として誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 水分補給は血液の粘度を下げ、血栓形成のリスクを低減するため、深部静脈血栓症の予防に有効です。正しくは:適切な水分摂取は予防策として有効です。選びやすい理由:一般的な健康維持にも重要であるため、間違いと判断しにくいかもしれません。混同注意:他の一般的な疾患予防策と混同されることがあります。
- 2. 早期離床は下肢の筋肉ポンプ作用を促し、静脈血流の停滞を防ぐため、深部静脈血栓症の予防に非常に重要です。正しくは:早期離床は予防策として非常に有効です。選びやすい理由:術後などで安楽にしている方が良いと感じるかもしれませんが、血栓予防には早期活動が推奨されます。混同注意:安静臥床と早期離床のどちらが血栓予防に効果的か混同されることがあります。
- 3. 足関節の自動運動(足底屈・背屈など)は、下腿の筋肉ポンプ作用を活発にし、静脈還流を改善するため、深部静脈血栓症の予防に有効です。正しくは:足関節の自主的な運動は予防策として有効です。選びやすい理由:地味な運動に見えて、効果がないと誤解するかもしれませんが、血流促進に寄与します。混同注意:運動全般と混同し、その重要性を見落とすことがあります。
- 4. 正解。長時間同じ姿勢で座り続けることは、下肢の静脈血流の停滞を引き起こし、深部静脈血栓症のリスクを大幅に高めます。特にデスクワークや長距離移動などで注意が必要です。正しくは:長時間、同じ姿勢で座り続けることは深部静脈血栓症のリスクを高めるため、避けるべきです。定期的な体位変換や運動が推奨されます。選びやすい理由:座っていること自体は安楽であるため、予防策として正しいと考えてしまうかもしれません。しかし、血流停滞が問題です。混同注意:安静臥床の重要性と、長時間の同一体位の悪影響を混同することがあります。
- 5. 弾性ストッキングは、下肢に段階的な圧力をかけることで静脈の拡張を防ぎ、静脈血流速度を増加させるため、深部静脈血栓症の予防に有効です。正しくは:弾性ストッキングの着用は予防策として有効です。選びやすい理由:圧迫することで血流が悪くなると誤解するかもしれませんが、適切に用いれば血流改善に寄与します。混同注意:きつい服や靴が血流を阻害することと混同する可能性があります。
国試ポイント
深部静脈血栓症の予防に関する基本的な知識、特に血流停滞を防ぐ重要性を理解しているかを問う問題です。具体的な予防行動とその理由を関連付けて覚える必要があります。
混同注意
深部静脈血栓症の予防策と治療法を混同する、または予防策の中での具体的な効果を曖昧に理解している場合に誤答しやすくなります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、深部静脈血栓症のリスク因子(不動、脱水、肥満、加齢など)や、具体的な予防策のメカニズム(筋肉ポンプ作用、血流速度、血管壁への影響)を問う可能性があります。
関連知識
肺塞栓症との関連、エコノミークラス症候群、周術期の管理、脳卒中後の離床、弾性ストッキングの適切な使い方(圧迫圧の分布)についても関連知識として押さえておく必要があります。