知覚機能を評価する検査法はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
セメス・ワインシュタイン単フィラメントテストは、様々な太さのモノフィラメントを用いて皮膚の圧覚閾値を測定し、知覚鈍麻の有無や程度を定量的に評価する標準的な検査です。これは知覚機能、特に皮膚感覚の評価に直接的に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ロンベルグテストは、主に平衡感覚(特に固有受容感覚と前庭機能)を評価する検査であり、知覚機能全般を評価するものではありません。正しくは:平衡機能(固有受容感覚、前庭機能)を評価します。選びやすい理由:立位保持に関わる感覚機能の一部として知覚も関連するため、混同する可能性があります。混同注意:平衡感覚、固有受容感覚
- 2. トレイルメイキングテストは、視覚探索、注意、精神運動速度、遂行機能などの高次脳機能を評価する検査であり、知覚機能(特に皮膚感覚など)を評価するものではありません。正しくは:注意、遂行機能、精神運動速度などの高次脳機能を評価します。選びやすい理由:「感覚」という言葉の広義な意味合いから、視覚的な探索も感覚と捉えてしまう可能性があります。混同注意:高次脳機能評価、注意機能、遂行機能
- 3. ジョブセン・テイラー手機能テストは、主に手の巧緻性や機能的動作能力を評価するものであり、知覚機能そのものを直接的に評価するものではありません。正しくは:手の巧緻性、機能的動作能力を評価します。選びやすい理由:手の機能には知覚も重要であるため、関連が深いと誤解する可能性があります。しかし、直接的な知覚評価ではありません。混同注意:手の機能評価、巧緻性評価
- 4. レイ聴覚性言語学習テストは、言語性の記憶機能(記銘、保持、想起、再認など)を評価する検査であり、聴覚という経路は用いますが、聴覚の知覚機能そのものを評価するものではありません。正しくは:言語性記憶機能を評価します。選びやすい理由:「聴覚」という言葉から知覚機能と関連があるように見えますが、主目的は記憶の評価です。混同注意:記憶機能、高次脳機能評価
- 5. 正解。セメス・ワインシュタイン単フィラメントテストは、皮膚の触覚、特に圧覚閾値を定量的に測定することで、末梢神経系の知覚機能を評価するために広く用いられる検査法です。触覚は知覚機能の重要な要素です。
国試ポイント
知覚機能評価に特化した検査法を正確に識別できるか。他の感覚器や高次脳機能、運動機能の評価法と混同せず、知覚の基本を理解しているかが問われる。
混同注意
各検査の名前と目的が類似しているものや、一部の機能が知覚と関連するように見えるもの(例:ロンベルグテストの固有受容感覚、レイ聴覚性言語学習テストの聴覚経路)と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられた検査法が、知覚機能(特に体性感覚)の直接的な評価を目的としているか、それとも他の機能(平衡、高次脳機能、運動など)の評価法の一部として知覚要素が含まれるだけなのかを区別する視点が重要となる。
関連知識
知覚機能評価には、この他に2点識別覚、触覚定位覚、立体覚、振動覚、温度覚、痛覚などの検査法がある。また、知覚機能障害が日常生活活動に与える影響や、それに対する介入方法についても関連知識として重要である。各検査法の略称とその正式名称、主な評価項目も理解しておく必要がある。