CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
CMOP(Canadian Model of Occupational Performance)は、人間を作業遂行を行う存在として捉えるモデルです。人間の構成要素として身体的(physical)、認知的(cognitive)、情動的(affective)な側面があると考えており、これら全てを含んだ全人的な視点が特徴です。選択肢1では身体的側面と認知的側面『のみ』で捉えるとしている点が誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。CMOPでは、人を身体的、認知的側面に加え、情動的(感情的)な側面も持つ存在として捉えます。身体的・認知的側面のみで捉えるのは不十分です。正しくは:人間を身体的側面、認知的側面、そして情動的(感情的)側面から多角的に捉える。選びやすい理由:「身体面と認知面」は人間の重要な側面であるため、限定的な表現であることを見落としやすい。しかし、CMOPは「スピリチュアリティ」を中心に、よりホリスティックな視点を持っています。混同注意:他のモデルや人間観と混同し、CMOPの包括的な人間観を見落とす可能性があります。例えば、初期の医学モデルでは身体・認知に焦点が当てられることがありますが、CMOPはより全人的な視点を持ちます。
- 2. COPM(カナダ作業遂行測定)は、CMOPの理論的枠組みに基づいて開発された評価ツールであり、CMOPがCOPM実践の基盤となる考え方であるのは正しいです。
- 3. CMOPは、個人(Occupational Being)、作業(Occupation)、環境(Environment)の3要素が相互に作用し、作業遂行(Occupational Performance)が生じるという動的な関係性を説明するモデルです。この記述はCMOPの核となる考え方として正しいです。
- 4. CMOPは、クライアントが求める作業(ニーズ)が満たされることを作業療法の最終目標とし、その達成に向けて個人、作業、環境の調整を図るという方向性を示しています。この記述は正しいです。
- 5. CMOPにおける環境の要素は、物理的環境(Physical Environment)、社会文化的環境(Sociocultural Environment)、制度的環境(Institutional Environment)の3つから構成されます。この記述はCMOPが捉える環境の多様性を正しく示しています。
国試ポイント
CMOPの基本的な人間観、特に構成要素の包括性について問われています。単なる身体・認知に留まらず、情動的な側面やスピリチュアリティを含む全人的な視点を持っているかを理解しているかがポイントです。
混同注意
CMOPは人を作業遂行を行う存在(Occupational Being)として捉え、その構成要素として身体的、認知的、情動的側面を持つとされます。この情動的側面が記述から抜け落ちている点が誤りです。また、モデルの中心概念である「スピリチュアリティ」が直接的な身体・認知・情動とは異なる次元で強調されている点も理解のポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、CMOPの「人」の概念が身体・認知・情動の3側面で構成されていることを正確に把握しているか、また、その中心に「スピリチュアリティ」が位置していることを確認する問題が出される可能性があります。他の作業療法モデルの人間観(例:MOHOのVolition, Habituation, Performance Capacityなど)との比較も重要です。
関連知識
CMOPの核心は「スピリチュアリティ」であり、これが人間性の中心に位置し、身体的、認知的、情動的側面がそれを取り囲むという構造を理解することが重要です。また、このモデルがCOPMの基盤となっていること、個人-作業-環境の相互作用を重視していること、クライアント中心のアプローチであることなども関連知識として押さえるべきです。