神経筋接合部における神経伝達物質はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経筋接合部(neuromuscular junction, NMJ)は、運動ニューロンの軸索末端と骨格筋細胞との間に形成される特殊なシナプスです。ここでは、運動ニューロンからの活動電位によって軸索末端からアセチルコリンが放出されます。放出されたアセチルコリンは筋細胞膜に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、筋細胞の脱分極を引き起こして筋収縮を誘発します。このメカニズムは、骨格筋の運動において極めて重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. ノルアドレナリンは主に中枢神経系や交感神経系で作用する神経伝達物質であり、神経筋接合部での直接的な伝達物質ではありません。正しくは:ノルアドレナリンは主に交感神経終末から放出され、心拍数増加や血管収縮などの作用に関与します。選びやすい理由:神経伝達物質の一つとして広く知られているため、混同しやすいかもしれません。混同注意:アセチルコリン(特にニコチン性アセチルコリン受容体)の作用と混同しやすいかもしれません。
- 2. 正解。神経筋接合部では、運動ニューロンからアセチルコリンが放出され、筋肉側のニコチン性アセチルコリン受容体に結合することで、筋収縮が引き起こされます。
- 3. アドレナリンは主に副腎髄質からホルモンとして分泌されるか、中枢神経系で神経伝達物質として作用しますが、神経筋接合部での伝達物質ではありません。正しくは:アドレナリンは「闘争か逃走か」反応に関与し、心拍数や血糖値を上昇させる作用があります。選びやすい理由:ノルアドレナリンと同様に、ストレス反応に関連する神経伝達物質として認識されているため、選びやすいかもしれません。混同注意:アセチルコリンが骨格筋に作用するメカニズムと、アドレナリンが他の臓器に作用するメカニズムを混同しやすいです。
- 4. セロトニンは主に中枢神経系に存在し、気分、睡眠、食欲などの調節に関わる神経伝達物質ですが、神経筋接合部の伝達物質ではありません。正しくは:セロトニンは、うつ病治療薬の標的となるなど、精神機能に深く関与しています。選びやすい理由:気分や行動に影響を与える重要な神経伝達物質として広く知られているため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:他の主要な神経伝達物質であるアセチルコリン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどと役割を混同しやすいです。
- 5. ドパミンは中枢神経系において、運動調節、報酬系、認知機能などに重要な役割を果たす神経伝達物質ですが、神経筋接合部での伝達物質ではありません。正しくは:ドパミンはパーキンソン病の病態や、薬物依存などに関与することで知られています。選びやすい理由:パーキンソン病との関連で運動機能との関わりが連想されやすいため、神経筋接合部と誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:運動機能に関連する神経伝達物質であるため、アセチルコリンの役割と混同しやすいです。
国試ポイント
神経筋接合部における主要な神経伝達物質とその作用メカニズムに関する基本的な知識を問う問題です。中枢神経系や自律神経系で作用する他の主要な神経伝達物質との区別が重要になります。
混同注意
他の主要な神経伝達物質(ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ドーパミンなど)が、どこでどのような役割を果たすか、特に神経筋接合部以外の部位での機能と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
神経伝達物質の放出・受容体の種類、筋収縮のメカニズム、神経伝達物質の分解・再取り込みなど、より詳細な生理学的知識を問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
神経筋接合部の構造(運動終板、シナプス小胞、シナプス間隙、受容体など)、アセチルコリンエステラーゼの役割、重症筋無力症などの神経筋接合部疾患の病態生理。