ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
ICF(国際生活機能分類)の「環境因子」は、個人が生活し、機能する物理的、社会的、態度的な環境を指します。第2レベルの分類項目として、e120「生産品とテクノロジー」の一部である「福祉用具」と、e570「財産」が挙げられます。選択肢2の「資産」はe570「財産」に含まれる主要な要素であり、選択肢5の「福祉用具」はe120「生産品とテクノロジー」に含まれる重要な項目です。他の選択肢はICFの環境因子の第2レベルの項目としては適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 「コミュニケーション」はICFの環境因子の第2レベルには分類されません。これは環境因子の第1レベル「支持と関係」の中の「個人の支持と関係」の一部(e310)に含まれる要素ですが、第2レベルの具体的な項目名ではありません。正しくは:この選択肢自体は、ICFの「支持と関係」の具体的な要素として関連性はありますが、第2レベルの項目としては適切ではありません。選びやすい理由:コミュニケーションは日常生活に不可欠な要素であり、環境と深く関わるため、選びやすいかもしれませんが、ICFの分類階層を正確に理解しているかが問われます。混同注意:「コミュニケーション手段(e130)」「コミュニケーション機器とテクノロジー(e125)」などと混同しやすいですが、これらも第2レベルの項目ではありません。
- 2. 正解。「資産」はICFの環境因子『財産』の第2レベル(e570)に分類される項目です。金銭的なものやその他の所有物を指し、個人の活動や参加に影響を与える環境因子として明確に定義されています。
- 3. 「住居の入手」はICFの環境因子の第2レベルには分類されません。これは「サービス、行政組織、政策」の中の「住居、居住地、居住地の計画と建設に関連するサービス、行政組織、政策(e550)」という第2レベルの項目に含まれる具体的な内容ですが、それ自体が第2レベルの項目名ではありません。正しくは:正しくは「住居、居住地、居住地の計画と建設に関連するサービス、行政組織、政策」が第2レベルの項目名です。選びやすい理由:住居は生活に直接関わる重要な要素であり、環境因子のひとつとして容易に認識できるため、選んでしまいがちです。しかし、ICFの分類の具体的な階層名を覚えているかが重要です。混同注意:「住居(e150)」という項目と混同しやすいですが、これも第2レベルの項目ではありません。また、「住居の入手に関する制度」などと、サービスや政策としての概念と混同しやすいです。
- 4. 「人権」はICFの環境因子の第2レベルには分類されません。これはICFの「構成要素」の一つである『参加』や、その前提となる『社会的な価値観』と関連が深い概念ですが、環境因子の具体的な第2レベルの項目名としては直接記載されていません。ICFでは「態度」や「サービス、行政組織、政策」の中で間接的に考慮されることがあります。正しくは:人権は環境因子の中でも「制度、法律、規範」といったより上位の概念に含まれる、あるいはこれらを形成する重要な要素ではありますが、第2レベルの具体的なコードとしては存在しません。選びやすい理由:人権はリハビリテーションや社会福祉において非常に重要な概念であるため、環境因子として強く意識され、選びやすいですが、ICFの分類構造を正確に理解する必要があります。混同注意:「法と法律(e590)」や「社会規範、慣習、イデオロギー(e465)」といった項目と関連はありますが、これら自体が「人権」という表現ではありません。また、ICFの根底にある理念と混同しやすいです。
- 5. 正解。「福祉用具」はICFの環境因子『生産品とテクノロジー』の第2レベル(e120)に分類される項目です。これは、個人が日常生活を行う上で使用する補助具や機器全般を指し、活動や参加を支援する重要な環境因子として明確に定義されています。
国試ポイント
ICFの「環境因子」の具体的な分類項目、特に第2レベル(詳細な項目)の知識が問われています。分類の階層を理解し、各項目がどのレベルに属するかを正確に覚えていることが重要です。特に、選択肢の中に混同しやすい類似概念や、より一般的な概念が含まれている場合に、正確な分類名を選び分ける能力が試されます。
混同注意
ICFの分類は多岐にわたり、類似した概念や、ある分類に含まれる具体的な内容が他の選択肢として提示されることがあります。例えば、「コミュニケーション」は環境因子の一部である「支持と関係」の中で重要な役割を果たしますが、それ自体が第2レベルの項目ではありません。「住居の入手」も「住居に関連するサービス」という第2レベルの項目に含まれる内容です。このように、関連性の高い語句であっても、ICFの分類上の正確なレベル名を識別することが混乱を避ける鍵となります。
次に同じ論点が出たら
今後もICFの各構成要素における分類レベル(特に第1レベルと第2レベル)を問う問題が出題される可能性が高いです。特に、環境因子の各項目が具体的にどのような内容を含むのか、また、活動・参加との関連性を意識して学習することが求められます。また、事例問題と絡めて「この環境因子が活動・参加にどう影響しているか」を判断させる問題も考えられます。
関連知識
ICFの構成要素(心身機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子)の全体像と、それぞれの構成要素の詳しい分類階層(第1レベル、第2レベルなど)。特に、環境因子のe1「生産品とテクノロジー」、e2「自然環境と人間がもたらす変化」、e3「支持と関係」、e4「態度」、e5「サービス、行政組織、政策」といった大分類(第1レベル)の理解とその下の詳細分類を覚えることが重要です。