観察に基づく評価法はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・2のいずれも正解とされています。 AIMSは乳幼児の粗大運動発達を直接観察し評価するスケールであり、AMPSは日常生活活動の遂行中に発揮される運動技能と過程技能を観察により評価するツールです。これらは対象者の実際の行動をセラピストが観察し、そのパフォーマンスの質や量を評価する点で共通しています。COPM、MMSE、OSA-IIはそれぞれ面接形式の自己評価、質問紙形式の認知機能スクリーニング、自己記入式の自己評価であり、直接的な行動観察による評価法とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。AIMSは乳幼児の粗大運動発達を評価するツールであり、検査者が子どもの運動能力を直接観察し、そのパフォーマンスに基づいて採点を行います。乳幼児の自発的な動きや課題遂行を客観的に記録することで発達レベルを判定します。
- 2. 正解。AMPSは、日常生活活動(ADL)やIADLの遂行能力を評価するために、対象者が実際に選択した課題を行う様子を観察し、運動技能と過程技能の質を評価します。標準化された観察に基づいてスコアを算出するため、観察評価法に該当します。
- 3. COPMは、対象者が自身の生活の中で重要と考える活動における遂行度と満足度を自己評価する面接形式の評価法です。対象者自身の主観的な視点に基づくため、観察評価法ではありません。正しくは:COPMは、対象者自身が重要視する活動の遂行度と満足度を数値化する面接形式の自己評価ツールです。選びやすい理由:作業療法の評価法として広く知られているため、選択肢として魅力的ですが、評価の手法が異なります。混同注意:客観的な観察による評価と、対象者の主観に基づく評価を混同しやすいです。
- 4. MMSEは、認知機能のスクリーニング検査であり、質問への口頭での回答や簡単な指示への反応(例:書字、模写など)に基づいて得点化されますが、対象者の具体的な行動を『観察』して能力の質を評価するものではありません。多くは質問紙や口頭指示への反応で構成されます。正しくは:MMSEは、認知症スクリーニングに用いられる質問紙形式の検査で、記憶、見当識、計算、言語、図形構成などの認知機能を評価します。選びやすい理由:臨床で頻繁に使われる評価法であるため、無意識に選んでしまいがちです。混同注意:遂行能力を評価する検査と、認知機能の一部を質問形式で評価する検査を混同しやすいです。
- 5. OSA-IIは、対象者が自身の作業遂行能力や環境要因について自己認識を評価する自己記入式の評価ツールです。対象者自身が質問票に記入するため、観察評価法ではありません。正しくは:OSA-IIは、対象者が自身の作業能力や環境要因に対する自己認識を評価する自己報告式のツールです。選びやすい理由:作業療法における評価法として関連性が高いため、選択肢として誤解を招く可能性があります。混同注意:セラピストによる客観的評価と、対象者自身による主観的評価を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、各評価法の実施方法(面接、質問紙、自己記入、観察など)を正確に理解しているかを問うものです。特に、作業療法でよく用いられる評価法の名称と、それが『観察に基づく評価』であるか否かを見分ける知識が求められます。評価法の種類を、その目的だけでなく実施形態によって分類する能力が重要です。
混同注意
評価法はその目的(機能、活動、参加、環境など)や対象(乳幼児、成人、高齢者など)だけでなく、評価形式(自己報告、面接、観察、質問紙、検査バッテリーなど)によっても分類されます。混同しやすいのは、同じ「活動」や「遂行能力」を評価するものでも、その評価形式が異なる場合です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要な評価法の名称だけでなく、『どのように評価が行われるか』(例:観察か、自己報告か、検査者の指示に従うか)を注意深く読み解き、その実施形式に基づいて判断します。特に、『観察』をキーワードとする問題では、対象者の行動を客観的に見て判断する評価法に絞り込む必要があります。また、『2つ選べ』の問題形式にも慣れておくことが重要です。
関連知識
・評価法の分類(質問紙、面接、観察、パフォーマンス測定など) ・各評価法の実施手順と評価形式 ・AIMS:乳幼児の粗大運動発達評価 ・AMPS:ADL/IADLにおける運動技能と過程技能の質的評価 ・COPM:クライアント中心の作業遂行自己評価 ・MMSE:簡易的な認知機能スクリーニング ・OSA-II:作業遂行と環境に対する自己認識評価