老研式活動能力指標の質問項目のうち、手段的ADLに該当するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
老研式活動能力指標は、ADL(日常生活活動)の中でも、日常生活を円滑に行う上で必要な、より高次で複雑な活動である手段的ADL(IADL)を評価する質問項目を含んでいます。公共交通機関を利用した外出は、計画性、判断力、周囲の状況への適応能力など、複数の認知・身体機能が統合されて初めて可能になるため、手段的ADLに該当します。他の選択肢は、知的能動性や社会的役割に関する項目であり、IADLの定義とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. これは知的能動性に関する項目であり、手段的ADL(IADL)には該当しません。正しくは:知的能動性に関する項目です。選びやすい理由:読書は日常生活の一部ですが、老研式活動能力指標では手段的ADLではなく知的能動性の側面を評価します。混同注意:レクリエーション活動や余暇活動と混同しやすいですが、老研式ではそれぞれが別の評価軸を持ちます。
- 2. これは知的能動性に関する項目であり、手段的ADL(IADL)には該当しません。正しくは:知的能動性に関する項目です。選びやすい理由:書類作成は生活に密接していますが、老研式ではより高次な認知機能や社会参加の側面として捉えられます。混同注意:家事や金銭管理などのIADLと混同しやすいですが、年金に関する書類作成は特に知的能動性の指標とされます。
- 3. 正解。公共交通機関を利用した外出は、買物や通院などを含むより複雑な移動能力を要するため、老研式活動能力指標において『手段的ADL(IADL)』に分類されます。選びやすい理由:基本的なADL(移動能力)と混同しやすいですが、公共交通機関の利用は計画性や判断力も必要とされるためIADLと判断されます。混同注意:基本的ADLの『移動』と混同しやすいですが、公共交通機関の利用は『外出』というより広範な概念であり、IADLに位置づけられます。
- 4. これは社会的な役割に関する項目であり、手段的ADL(IADL)には該当しません。正しくは:社会的役割に関する項目です。選びやすい理由:家族や友人との交流は生活の質に関わりますが、老研式では手段的ADLではなく社会的な側面で評価します。混同注意:コミュニケーション能力や対人関係能力と混同しやすいですが、老研式では『相談に乗る』という具体的な行為を社会的役割として分類します。
- 5. これは知的能動性に関する項目であり、手段的ADL(IADL)には該当しません。正しくは:知的能動性に関する項目です。選びやすい理由:健康への関心は自己管理の一部ですが、老研式では情報収集という側面から知的能動性として捉えられます。混同注意:自己管理能力や健康管理行動と混同しやすいですが、この文脈では情報収集の側面が強調されます。
国試ポイント
老研式活動能力指標における各質問項目が、どの評価領域(手段的ADL、知的能動性、社会的役割)に分類されるかを正確に理解しているかが問われています。特に、手段的ADLの具体的な内容を把握しておくことが重要です。
混同注意
老研式活動能力指標の『手段的ADL』、『知的能動性』、『社会的役割』の3つの評価領域それぞれの定義と、各項目がどの領域に属するかを混同しやすいです。特に、基本的ADLとIADLの境界や、IADLと知的能動性の区別が曖昧になりがちです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、老研式活動能力指標の他の手段的ADL項目(例:買物ができるか、食事の準備ができるか、金銭管理ができるかなど)や、知的能動性・社会的役割の具体的な項目を識別できるか、さらに深く問われる可能性があります。また、他の評価スケール(例:Barthel Index, FIM, BI, MMSEなど)との比較や、それぞれの評価対象・目的の違いを問われることも考えられます。
関連知識
老研式活動能力指標(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence)は、高齢者の自立度を評価するための指標です。手段的ADLの項目には、買物、食事の準備、金銭管理、電話の使用、公共交通機関の利用などが含まれます。知的能動性には、新聞を読む、本を読む、年金書類を書く、健康に関する情報に関心を持つなどが、社会的役割には、友人の相談に乗る、近所付き合い、ボランティア活動などが含まれます。また、基本的ADL(BADL)と手段的ADL(IADL)の違い、そしてIADLとさらに高次の社会参加や役割との違いも理解しておく必要があります。