視覚障害者への対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
白杖は視覚障害者が安全に歩行するために不可欠な道具であり、その長さは歩行の安全性を大きく左右します。歩く先の状況を事前に察知できる長さであることで、障害物や段差への対応が可能となり、転倒などの事故を防ぐことができます。一般的に、使用者の顎から鼻の高さまでが適切な長さとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 伝い歩きでは、手のひらではなく、手の甲側を前に出して、障害物に触れることで身体を保護し、安全に移動できるように指導するのが適切です。手のひらでは、とっさの際に怪我をするリスクがあります。正しくは:伝い歩きをするときは、手の甲側を前方にして周囲に触れさせ、安全を確保します。選びやすい理由:手のひらで触れることで感覚が得られるため、一見正しいように見えます。混同注意:手のひらでの触覚と、手の甲での保護・情報取得の役割の違い。
- 2. 点字を書く際は、通常、裏から針で点を打つため、書く面と読む面は裏表になります。読む面と同じ面から打つと、点が裏返しになってしまいます。正しくは:点字の利用では、書く面(裏から打つ面)と読む面(表)は異なるのが一般的です。選びやすい理由:一般的な文字の読み書きと同じ感覚で、同じ面で完結すると考えてしまうかもしれません。混同注意:点字の読み書きのメカニズム(点字板や点字器の使い方)。
- 3. 歩行介助では、介助者は視覚障害者の斜め前、半歩ほど前に位置し、腕や肘を掴んでもらうことで、介助者の動きや障害物を事前に伝えられるようにします。後方にいると情報伝達が遅れ、危険が増します。正しくは:歩行時に介助者は視覚障害者の半歩前、斜め前に位置し、腕などを掴んでもらいます。選びやすい理由:邪魔にならないように後ろにいる方が良い、と考えてしまうかもしれません。混同注意:介助の際の立ち位置と、情報提供の役割。
- 4. 正解。白杖は、使用者が2歩先の路面の状況(段差や障害物)を察知できる長さにします。
- 5. 義眼は、眼球を失った後の美容的な目的や、眼窩の変形を防ぐために装着されるものであり、視力回復や視覚の代替手段としては機能しません。義眼を装着しても視力は得られません。正しくは:義眼は、失われた眼球の美容的な補完や眼窩の維持を目的とし、視覚の代償手段ではありません。選びやすい理由:「眼」という言葉から、視覚機能と結びつけて考えてしまう可能性があります。混同注意:義眼の機能(美容的・形態保持)と、視覚補助具(拡大鏡、単眼鏡など)の機能。
国試ポイント
視覚障害者への基本的な支援方法や用具の適切な使用方法に関する知識が問われています。特に、誤解しやすい点や一般的な常識と異なる専門的な知識が選択肢として提示される傾向があります。
混同注意
視覚障害者支援における様々な用具の機能や、介助時の適切な方法(立ち位置、声かけなど)と混同しやすい。特に、義眼の目的(美容と視力回復の混同)や伝い歩きの手の使い方(手のひらと手の甲の役割)は間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、視覚障害者の移動支援(歩行介助、伝い歩き、白杖の使用)、コミュニケーション支援(点字、音声情報)、日常生活支援(用具の活用)のそれぞれの具体的な方法と、その根拠を正確に理解しているかを確認しましょう。特に『なぜその方法が適切なのか』という理由付けまで理解することが重要です。
関連知識
白杖の役割と使い方、点字の仕組み、歩行介助の基本原則、視覚障害者向け補助具の種類と機能(拡大読書器、音声読書機など)、ガイドヘルプの原則。