14歳の女子。強度の弱視(両眼の視力の和が0.04未満、両眼の矯正視力が0.2)で特別支援学校に通っている。日常生活や学校生活において使用しない支援機器はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
プリズム眼鏡は主に斜視による複視や眼位異常の矯正に用いられるものであり、強度弱視そのものの視力改善や日常生活での直接的な視覚補助としては一般的ではありません。弱視は視覚発達の不全であり、プリズムで矯正できる問題とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 強度弱視の患者はまぶしさを感じやすく、遮光眼鏡は光の刺激を抑え、見えにくさを軽減するために有効な補助具です。正しくは:この選択肢は、強度弱視の患者が日常的に使用する可能性のある適切な支援機器です。選びやすい理由:眼鏡の種類が多いため、具体的な効果を理解していないと判断に迷うかもしれません。混同注意:通常の度入り眼鏡やサングラスと混同されることがありますが、遮光眼鏡は特定の波長の光をカットし、コントラストを強調する機能に特化しています。
- 2. 強度弱視の生徒がノートや手紙を書く際、行を揃えたり文字の大きさを一定に保ったりするのに役立つ補助具です。正しくは:この選択肢は、強度弱視の患者が日常的に使用する可能性のある適切な支援機器です。選びやすい理由:シンプルな文房具であるため、支援機器としての認識が低いと選びにくいかもしれません。混同注意:定規と混同することもありますが、罫プレートは書き手が文字を書くスペースを物理的に制限することでガイドする役割が大きいです。
- 3. 正解。プリズム眼鏡は主に斜視による複視の軽減や眼位の調整に用いられます。強度の弱視自体は、視力の発達が不十分な状態であり、プリズム眼鏡が直接的に視力を改善したり、日常生活における視覚補助として機能することは稀です。特に本ケースでは、弱視が主たる症状であり、複視などの記載がないため、一般的に使用される支援機器とは考えられません。
- 4. 視覚障害を持つ人は、食器と食べ物の色のコントラストが低いと食べ物の区別がつきにくいことがあります。内側を黒くすることで、白いご飯などがはっきりと見え、食事のしやすさが向上します。正しくは:この選択肢は、強度弱視の患者が日常的に使用する可能性のある適切な支援機器です。選びやすい理由:一般的な福祉用具として認識されにくいかもしれませんが、日常生活動作を支援する重要な工夫の一つです。混同注意:他のロービジョン用食器(例:縁が深い皿、滑り止め付き)と混同されるかもしれませんが、基本的な目的はコントラストによる視認性向上です。
- 5. 視覚障害のある人が学習や情報収集を行う上で、拡大表示機能、音声読み上げソフト、高コントラストモードなどを備えたコンピューターは非常に有効な支援機器です。タッチパネルは操作のしやすさも向上させます。正しくは:この選択肢は、強度弱視の患者が日常的に使用する可能性のある適切な支援機器です。選びやすい理由:最新技術なので、視覚障害者にとって有効な支援機器であると容易に想像できるため、正答として選ぶことは少ないでしょう。混同注意:拡大読書器やタブレット端末と機能が重複する部分もありますが、コンピューターはより汎用的な情報処理ツールです。
国試ポイント
視覚障害を持つ方の特性を理解し、その特性に応じた適切な支援機器や環境整備に関する知識が問われています。特に、各支援機器がどのような症状や目的に対して有効であるかを正確に把握しているかが重要です。否定形(「使用しないのはどれか」)で問われることで、より深い理解が求められます。
混同注意
視覚障害者向けの「眼鏡」と名の付くものが全て視力改善や補助に役立つと誤解しやすい。プリズム眼鏡は特定の眼位や複視の問題に特化しており、拡大眼鏡などとは用途が全く異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、様々な視覚障害(視野狭窄、視野欠損、コントラスト感度低下、色覚異常など)に対して、どのような支援機器や環境調整が有効であるか、あるいは不適切であるかを見極める問題が出題される可能性があります。特に、特定の症状に特化した機器の知識が問われるでしょう。
関連知識
ロービジョンケアにおける支援機器の種類(拡大鏡、遮光眼鏡、拡大読書器、音声読み上げソフト、点字ディスプレイ、コントラストを高める工夫など)、弱視の定義と原因、斜視の種類と治療法。