障害受容で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
障害受容のプロセスにおいて、抑うつ状態にある患者に対しては、無理に積極的な指導を行うことは適切ではありません。患者の精神状態に寄り添い、まずは安定と回復を優先し、感情の表出を受け止める姿勢が求められます。患者が回復途上にあるときに、その意欲に応じて段階的に指導を検討することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 障害受容は個人の内面だけでなく、周囲の社会環境(支援体制、差別、理解度など)によっても大きく左右されます。例えば、社会からの支援が不足していると受容は困難になります。正しくは:この選択肢は正しい記述なので修正は不要です。選びやすい理由:一見すると個人の問題と思われがちですが、社会環境も重要な要素です。混同注意:個人の心理過程のみが障害受容に影響すると考える誤解。
- 2. ピアサポートは、同じ経験を持つ仲間との共感や情報交換を通じて、孤立感を軽減し、前向きな気持ちを育むことで障害受容を促進します。正しくは:この選択肢は正しい記述なので修正は不要です。選びやすい理由:客観的な情報提供だけでなく、精神的な支えが重要であるという点で理解しやすいでしょう。混同注意:専門職による支援のみが有効と考える誤解。
- 3. 正解。抑うつ状態の患者は、気力の低下や集中力の欠如が見られるため、積極的な指導は負担となり逆効果になることがあります。まずは患者の感情に寄り添い、状態の安定を図ることが優先されます。正しくは:抑うつ状態の患者に対しては、まず感情に寄り添い、休養を促すなど、心身の状態を安定させることを優先すべきです。選びやすい理由:リハビリテーションでは積極的な関わりが重要視されるため、この選択肢を選びやすいかもしれません。しかし、精神状態によってはその限りではありません。混同注意:他のリハビリテーション場面での「積極的な介入」と混同しがちです。特に精神状態が不安定な場合は注意が必要です。
- 4. 障害受容のプロセスにおける混乱期や怒りの段階では、患者は自分の感情をコントロールしにくく、その怒りの矛先が身近な医療従事者や家族に向かうことは自然な反応の一部です。これは患者が障害を受け入れようと葛藤している証拠でもあります。正しくは:この選択肢は正しい記述なので修正は不要です。選びやすい理由:医療者として冷静に対応すべきという意識から、患者の怒りが自身に向くことを想像しにくいかもしれませんが、実際にはよくあることです。混同注意:患者の怒りを個人的な攻撃と捉えてしまうこと。
- 5. 障害告知直後のショック期は、現実を受け入れられず、精神的に不安定な状態です。この時期には、情報提供を控え、患者の安全を確保しつつ、静かに寄り添い見守ることが適切な対応とされます。正しくは:この選択肢は正しい記述なので修正は不要です。選びやすい理由:何か働きかけをしなければならないと考えがちですが、ショック期は特に静かな見守りが重要です。混同注意:すぐに次のステップへ進ませようとすること。
国試ポイント
障害受容の心理プロセスにおける各段階と、それに応じた医療従事者の適切な関わり方を理解しているかどうかが問われる問題です。特に、患者の精神状態を正確にアセスメントし、状況に応じた支援ができるかがポイントとなります。
混同注意
障害受容のプロセスは、ショック、否認、混乱・怒り、抑うつ、受容・適応といった段階を経て進みますが、これらの段階は明確に区切られるものではなく、行ったり来たりすることもあります。各段階で必要な支援が異なるため、混同しないよう注意が必要です。特に「積極的な関わり」と「受け止める関わり」の使い分けが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、障害受容に関する問題が出た場合、各段階における患者の心理状態を深く理解し、それぞれの段階で医療従事者が「すべきこと」と「すべきでないこと」を具体的に判断できるかどうかが問われるでしょう。特に、患者の個別性や文化的背景が受容に与える影響についても注意が必要です。
関連知識
エリザベス・キューブラー・ロスの死の受容の5段階モデル(否認、怒り、取引、抑うつ、受容)は、障害受容のモデルと類似点が多く、理解の助けになります。また、危機介入の原則や、精神疾患を持つ患者へのコミュニケーション技法も関連知識として重要です。