作業療法の目標設定で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
作業療法の目標設定において、定性的目標は活動の質や参加度合いなどの側面を記述的に捉えるものであり、数値を用いた定量的な治療効果の評価には適していません。治療効果の客観的な評価には、測定可能な指標を含む定量的目標の設定が不可欠です。その他の選択肢は、目標設定におけるSMARTの原則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)や、作業療法の理念に基づいた適切な考え方です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。定性的目標は「改善した」「できるようになった」といった質的な変化を示すものであり、数値での評価が難しい、あるいは評価基準が曖昧になりがちです。治療効果の客観的な評価には、定量的な目標(例:〇メートル歩ける、〇回反復できる)が適しています。正しくは:定性的な目標は、治療の効果を数値で評価することは難しい。選びやすい理由:「評価が容易である」という肯定的な表現から、一見正しいかのように感じられるかもしれませんが、定性的目標の本質を理解していれば誤りと判断できます。混同注意:定量的目標と定性的目標の評価方法や目的の混同。定性的評価は主観的・記述的な側面を重視し、個別性やプロセスを捉えるのに有効ですが、客観的・数値的な効果測定には不向きです。
- 2. 長期目標は、対象者が最終的に目指す状態や、社会参加、QOL(生活の質)の向上といった広範な視点を含むべきです。社会的側面への言及は、作業療法の本質である生活の再構築と深く関連しています。正しくは:変更不要
- 3. 目標は、対象者の現在の能力、障害の程度、環境などを踏まえ、努力すれば達成できる範囲で設定されるべきです。非現実的な目標は、モチベーションの低下や治療の中断につながる可能性があります。正しくは:変更不要
- 4. 目標設定においては、治療期間、利用できるリソース(医療スタッフ、設備、家族の協力)、経済的な側面、社会制度など、様々な制約条件を現実的に評価し、それらを考慮に入れることが重要です。正しくは:変更不要
- 5. 目標達成時期を明確に設定することは、治療計画の進捗管理、評価のタイミング、そして対象者のモチベーション維持に不可欠です。具体的な期限があることで、目標達成に向けた行動が促されます。正しくは:変更不要
国試ポイント
作業療法の目標設定における原則や、定量的目標と定性的目標の違いを正確に理解しているかを問う問題です。特に、それぞれの目標の特性と評価方法に関する知識が重要視されます。
混同注意
定性的目標と定量的目標それぞれのメリット・デメリットや、評価のしやすさに関する理解が曖昧だと誤りやすいです。定性的評価も重要ですが、治療効果の『数値化・客観的評価』という文脈においては定量的目標が優位である点を明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点で出題される場合、定量的目標に関する記述の正誤や、具体的な目標設定事例における問題点などを問われる可能性があります。また、SMARTの原則の各要素に焦点を当てた出題も考えられます。
関連知識
SMARTの原則 (Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)。長期目標と短期目標の違い。ICF(国際生活機能分類)の視点を取り入れた目標設定。アウトカム評価とプロセス評価。