分娩後の乳汁分泌に作用するホルモンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
出産後に乳腺で乳汁を生成し分泌を促進する主要なホルモンはプロラクチンです。妊娠中にはエストロゲンやプロゲステロンが高濃度であるためプロラクチンの作用が抑制されていますが、分娩後にこれらのホルモン濃度が低下することでプロラクチンの働きが活性化し、乳汁分泌が本格的に開始されます。
選択肢ごとの解説
- 1. ドパミンはプロラクチンの分泌を抑制する作用があり、直接的な乳汁分泌促進作用はありません。正しくは:ドパミンはプロラクチン分泌抑制因子である。選びやすい理由:神経伝達物質として幅広い生理機能を持つため、乳汁分泌にも何らかの関与があるように感じるかもしれませんが、直接的な分泌促進作用ではありません。混同注意:プロラクチンとドパミンの関係性(抑制関係)が理解できていないと混同しやすいです。
- 2. エストロゲンは妊娠中に乳腺の発達を促しますが、高濃度ではプロラクチンの乳汁分泌作用を抑制するため、分娩直後の乳汁分泌には直接関与しません。分娩後にエストロゲン濃度が低下することで、プロラクチンの作用が顕著になります。正しくは:エストロゲンは妊娠中の乳腺発達に関与するが、乳汁分泌自体は抑制する。選びやすい理由:女性ホルモンであるため、乳腺や生殖に関連していることから正しい選択肢だと誤解しやすいです。混同注意:乳腺の発達と乳汁の分泌という異なるフェーズの作用が混同されやすいです。妊娠中の高濃度エストロゲンは乳汁分泌を抑制します。
- 3. 正解。プロラクチンは脳下垂体前葉から分泌され、乳腺に直接作用して乳汁を生成・分泌させる主要なホルモンです。
- 4. プロゲステロンは妊娠期間中に乳腺の準備を整えますが、エストロゲンと同様に高濃度ではプロラクチンの乳汁分泌作用を抑制します。分娩後にその濃度が低下することで、乳汁分泌が本格化します。正しくは:プロゲステロンは妊娠中の乳腺準備に関与するが、乳汁分泌自体は抑制する。選びやすい理由:女性ホルモンであり、乳腺の発達に関連することから正しい選択肢だと誤解しやすいです。混同注意:乳腺の発達と乳汁の分泌という異なるフェーズの作用が混同されやすいです。妊娠中の高濃度プロゲステロンは乳汁分泌を抑制します。
- 5. ゴナドトロピン(LH、FSH)は生殖腺に作用して性ホルモンの分泌を促すホルモンであり、乳汁分泌には直接関与しません。正しくは:ゴナドトロピンは性腺刺激ホルモンであり、卵巣や精巣に作用する。選びやすい理由:多くのホルモン名がある中で、名前の響きからそれっぽいと感じるかもしれませんが、その機能は乳汁分泌とは異なります。混同注意:女性の生殖に関連するホルモンの種類とその機能が十分に理解できていないと混同しやすいです。
国試ポイント
ホルモンの種類とその主要な生理作用、特に女性の生殖生理における各ホルモンの役割を正確に理解しているかが問われます。乳腺の発達と乳汁分泌のフェーズにおけるホルモンの違いに注意が必要です。
混同注意
乳腺の発達に関わるホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)と、実際に乳汁を分泌させるホルモン(プロラクチン)の違いが混同されやすいです。また、乳汁射出に関わるオキシトシンと混同されることもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要なホルモンの機能と、特定の生理現象(今回は乳汁分泌)における各ホルモンの役割の理解度を問われると予想されます。特に、妊娠・分娩・授乳期におけるホルモン動態とそれが身体に与える影響について、詳細な知識が求められるでしょう。
関連知識
乳汁分泌反射(プロラクチン反射、射乳反射)、オキシトシンの作用(乳汁射出)、分娩後のホルモンバランスの変化。