熱傷で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
深達性Ⅱ度熱傷は、真皮深層まで損傷が及ぶものの、神経終末が完全に破壊されているわけではないため、圧痛や鈍痛を感じることが多いです。浅達性Ⅱ度熱傷に比べて知覚は鈍くなりますが、痛みは存在します。Ⅲ度熱傷になると神経が完全に破壊されるため痛みは感じません。
選択肢ごとの解説
- 1. 熱傷面積を算出する際にⅠ度熱傷は含めません。Ⅰ度熱傷は皮膚の最表層のみの損傷であり、一般的に数日で自然治癒し、瘢痕を残さないため、予後予測や治療計画の対象となる熱傷面積には含めないのが通例です。Ⅱ度とⅢ度熱傷が面積計算の対象となります。正しくは:熱傷の総面積を算出する際には、Ⅱ度、Ⅲ度の熱傷範囲を合計して計算する。選びやすい理由:面積という言葉から、損傷した部分全てを合計すると考えるかもしれない。混同注意:Ⅰ度熱傷も「熱傷」であるため、面積計算に含むと誤解しやすい。
- 2. Ⅰ度熱傷は表皮の最上層のみの損傷であり、発赤と軽度の浮腫を特徴としますが、水疱は形成されません。水疱は、表皮と真皮の間に滲出液が溜まることで形成されるため、Ⅱ度熱傷でみられます。正しくは:Ⅰ度熱傷では水疱はみられず、Ⅱ度熱傷で水疱がみられる。選びやすい理由:熱傷による皮膚の異常として水疱を思い浮かべやすい。混同注意:軽度でも熱傷であれば水疱ができると誤解しやすい。Ⅰ度熱傷とⅡ度熱傷の症状の違い。
- 3. 浅達性Ⅱ度熱傷では、真皮乳頭層までの損傷であり、真皮の血管が保たれているため、水疱を除去した創底は赤みを帯び、毛細血管の再充満(圧迫により白くなり、離すと赤みが戻る)が良好です。蒼白に見えるのは血流が阻害されていることを示唆し、深達性熱傷や動脈血流障害の場合に見られます。正しくは:浅いⅡ度熱傷では、水疱の底は赤みを帯びている。選びやすい理由:炎症反応が強いと白くなるイメージを持つかもしれない。混同注意:皮膚の色調による深さの判断基準。浅達性Ⅱ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷の視覚的特徴。
- 4. 正解。深達性Ⅱ度熱傷では、真皮網状層まで損傷が及びますが、知覚神経の末端が完全に破壊されているわけではありません。そのため、痛みを感じる神経が残っており、特に圧迫や軽い接触で強い痛みを感じることがあります。ただし、浅達性Ⅱ度熱傷よりは痛みが鈍い傾向があります。
- 5. Ⅲ度熱傷は、皮膚の全層(表皮と真皮すべて)が破壊されており、皮膚付属器(毛包、汗腺など)も完全に破壊されています。これらの皮膚付属器の幹細胞は上皮化の源となるため、それが失われるⅢ度熱傷では、創底からの自然な上皮化は期待できません。通常、植皮術が必要となります。正しくは:Ⅲ度熱傷では、皮膚付属器が破壊されているため、創底からの自然な上皮化は起こらず、植皮術などが必要となる。選びやすい理由:どのような傷でも治癒の過程で上皮化が起こるという一般的な知識から選んでしまうかもしれない。混同注意:Ⅱ度熱傷(特に浅達性)とⅢ度熱傷の治癒機序の違い。
国試ポイント
熱傷の深度分類(Ⅰ度、浅達性Ⅱ度、深達性Ⅱ度、Ⅲ度)とそれぞれの臨床症状(発赤、水疱、痛覚、色調、治癒機序)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、各深度の境界症状や、どの深さで痛みが消失するか、上皮化の可否が重要です。
混同注意
熱傷の深度による症状(水疱の有無、色調、痛みの程度)の判断。特にⅡ度熱傷(浅達性・深達性)とⅢ度熱傷の痛覚や上皮化の違いが混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、熱傷の治療法や予後、合併症についても知識を問われる可能性が高い。特に小児や高齢者の熱傷に対する対応も確認すること。
関連知識
熱傷面積の算出方法(9の法則など)、熱傷の全身合併症、熱傷の初期治療(冷却、輸液など)、熱傷後のリハビリテーション、瘢痕拘縮予防と治療。