非言語性評価で用いられる検査はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
Kohs立方体組合せテストとRavenʼs Colored Progressive Matrices(RCPM)は、視空間認知、構成、抽象的思考といった認知能力を、言語能力に依存せず評価できる代表的な非言語性検査です。MMSEやWAIS-Ⅲは言語性要素を多く含み、RBMTは記憶検査の一部に非言語性課題を含むものの、全体として非言語性評価に特化しているわけではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. MMSEは、見当識、記銘力、注意・計算、想起、言語、図形構成といった広範な認知機能をスクリーニングする検査ですが、その多くは言語指示の理解や言語的回答を必要とする項目で構成されています。特に言語理解や表出が困難な方には適していません。正しくは:MMSEは言語性要素が強いスクリーニング検査であるため、非言語性評価には不向きです。選びやすい理由:認知機能全般を評価する検査として広く知られているため、非言語的側面も評価できると誤解しやすいかもしれません。混同注意:広範な認知機能を評価する検査ではありますが、各項目の実施方法や解答形式に言語の依存度が高いことを理解していないと間違えやすいです。
- 2. RBMTは日常生活における記憶障害を評価する検査で、言語性記憶(物語の記憶、顔と名前の記憶など)と非言語性記憶(絵の記憶、道順の記憶など)の両方を評価する項目を含んでいます。しかし、設問は「非言語性評価で用いられる検査」であり、全体として非言語性のみを問うているわけではないため、選択肢としては適切ではありません。正しくは:RBMTは言語性および非言語性の両側面から記憶を評価する検査であり、非言語性のみに特化した評価ではありません。選びやすい理由:非言語性記憶の項目が含まれるため、非言語性評価の一部として捉えてしまいがちですが、言語性要素も含むため、設問の意図とは異なります。混同注意:記憶検査の一部に非言語性課題があることと、検査全体が非言語性評価に特化していることの違いを混同しやすいです。
- 3. WAIS-Ⅲは成人向けの包括的な知能検査であり、「言語性IQ」と「動作性IQ」の2つの側面から知能を評価します。動作性検査には非言語的な要素が多く含まれますが、言語性検査も必須であり、全体としては非言語性評価に特化しているわけではありません。設問は「非言語性評価で用いられる検査」と問うているため、WAIS-Ⅲ全体としては不適切です。正しくは:WAIS-Ⅲは言語性IQと動作性IQを測定する総合的な知能検査であり、非言語性評価に特化したものではありません。選びやすい理由:動作性IQが非言語的要素を含むため、この選択肢が正しいと思ってしまいがちですが、WAIS-Ⅲは言語性要素も多く含みます。混同注意:動作性検査が非言語的であることと、WAIS-Ⅲという検査全体が非言語性評価に特化していることの違いを混同しやすいです。
- 4. 正解。Kohs立方体組合せテストは、視空間認知、構成、問題解決能力を評価する非言語性検査です。被検者は色付きの立方体を用いて提示された図案を模倣するため、言語の理解や表出能力に依存せず評価が可能です。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:この検査は非言語性の構成能力を評価する代表的なものとして知られています。混同注意:他の言語性の要素を含む検査と混同することはないはずです。
- 5. 正解。RCPMは、図形を用いた抽象的思考力や問題解決能力を評価する非言語性知能検査です。色付きの図形パターンから欠けた部分に合う選択肢を選ぶ形式であり、言語の理解や表出が不要なため、非言語性評価として適切です。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:この検査は非言語性の知能検査として非常に有名です。混同注意:他の言語性の要素を含む検査と混同することはないはずです。
国試ポイント
非言語性評価の概念を理解し、その目的で適切に用いられる検査を具体的に識別できるかが問われています。特に、認知機能検査には言語性要素と非言語性要素の両方を含むものが多いため、設問の意図(非言語性**で用いられる**検査)を正確に読み取ることが重要です。
混同注意
WAIS-Ⅲの動作性検査やRBMTの非言語性記憶課題など、一部に非言語的要素を含む検査と、検査全体が非言語的評価に特化している検査の違いを混同しやすいです。また、広く用いられる認知機能スクリーニング検査(MMSEなど)が非言語性評価にも使えると誤解しやすい点も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各検査が評価する主要な認知機能と言語依存度、そして特定の状況(失語症、聴覚障害、知的能力障害など)でどの検査が適しているかを問う問題が考えられます。また、複数の評価尺度から適切なものを選択させる形式や、特定の症例における評価計画を問う形式も考えられます。
関連知識
非言語性評価が必要とされるケース(失語症、発達障害、聴覚障害、異文化圏の対象者など)を理解していること。各検査の適用対象、評価できる能力、実施方法の概要を把握していること。特に、構成課題、図形模写、パズル、マトリックス課題などが非言語性評価に用いられることを知っておく必要があります。