左大腿中央部の横断面を図に示す。aの筋はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
下図のaで示される筋は薄筋です。薄筋は大腿内側に位置し、内転筋群の中でも最も内側かつ表層に近い部分に位置し、半腱様筋や半膜様筋といったハムストリングスの一部と隣接するように後方寄りに走行します。横断面では、その特徴的な位置から判別が可能です。他の選択肢の筋は、それぞれの走行や深さ、位置関係からaとは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。薄筋は、内転筋群の中で大腿骨内側上顆に付着し、かつ膝関節をまたいで脛骨に付着する唯一の筋です。そのため、大腿の中央部から遠位にかけて、他の内転筋群(短内転筋、長内転筋、大内転筋)よりも後方かつ内側寄り、つまり半腱様筋や半膜様筋に近い位置に存在するのが特徴です。aの位置は、大腿横断面においてこれらの特徴と一致するため、薄筋であると判断できます。
- 2. 縫工筋は、腸骨稜から脛骨粗面の内側にかけて斜めに走行する大腿の前面を走る筋であり、横断面では大腿の最前方かつ外側に近い位置に観察されます。aの位置とは異なります。正しくは:aは内転筋群に属する筋です。縫工筋は大腿の前面を走行する屈筋・外転筋・外旋筋であり、位置も異なります。選びやすい理由:大腿の長い筋であり、起始・停止が広い範囲に及ぶため、混乱しやすいかもしれませんが、走行が全く異なります。混同注意:大腿の他の長い筋、例えば大腿直筋や大腿筋膜張筋などと混同されることがあります。
- 3. 大内転筋は内転筋群の中で最も大きく、深層に位置します。大腿の中央部横断面では、より後方かつ深部に広範囲を占めて描出されます。aの位置は大内転筋よりも表層、かつ少し前内側に位置します。正しくは:aは薄筋であり、大内転筋はaよりも深層かつ後方に位置します。選びやすい理由:内転筋群であるため、位置的に近いと感じるかもしれませんが、薄筋よりも深層で広い範囲を占める筋です。混同注意:他の内転筋(長内転筋、短内転筋)と混同されやすいです。
- 4. 短内転筋は内転筋群の中で最も深層に近い位置にあり、主に大腿上部に存在し、大腿中央部の横断面では大内転筋の陰に隠れるか、非常に小さくしか描出されないことが多いです。aの位置とは異なります。正しくは:aは薄筋であり、短内転筋は主に大腿上部に位置し、aよりも深層にあります。選びやすい理由:内転筋群の一つであり、名前から誤って選んでしまう可能性がありますが、位置と大きさ、深さが異なります。混同注意:長内転筋や大内転筋と混同されることがあります。
- 5. 長内転筋は、内転筋群の中で最も表層に近い位置にあり、恥骨から大腿骨粗線まで斜め下方に走行します。大腿中央部の横断面では、薄筋よりもやや前方に位置することが多いです。aの位置は長内転筋よりも後方かつ内側寄りです。正しくは:aは薄筋であり、長内転筋はaよりも前方、かつ表層に位置します。選びやすい理由:内転筋群であり、比較的表層にあるため、選択肢として魅力的ですが、薄筋よりも前方に位置します。混同注意:短内転筋や大内転筋と混同されることがあります。
国試ポイント
大腿の主要な筋群の解剖学的走行と横断面における位置関係を理解しているかが問われる問題です。特に内転筋群、縫工筋、ハムストリングスといった複数の筋群にまたがる知識が求められます。画像から正確な筋を同定できる能力が重要です。
混同注意
大腿内側の筋群(長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、恥骨筋など)は、走行が似ているため非常に混同しやすいです。また、大腿の前面を走る縫工筋や、大腿後面のハムストリングスとの位置関係も正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず『内側大腿』『前面大腿』『後面大腿』といった大まかな位置関係を把握し、そこから筋の走行や深さ、隣接する筋との位置関係を手がかりに特定します。特に内転筋群は、表層から深層への順序(長内転筋→短内転筋→大内転筋が一般的)、および薄筋の特殊な位置(膝関節をまたぐため後方寄り)を記憶することが重要です。
関連知識
大腿の筋群の起始・停止、作用、神経支配。特に、各筋がどの関節をまたぎ、どの部位に付着するかを把握することで、横断面での位置をより正確に推測できます。例:薄筋は膝関節をまたぎ、脛骨に付着する唯一の内転筋。