うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
うつ病による仮性認知症は、うつ病の症状として認知機能の低下が見られる状態です。特徴としては、物忘れを強く訴える(病識がある)、集中力低下、思考の遅延、精神運動抑制などが挙げられます。多幸感や過度な社交性は、うつ病の症状とは合致しません。また、自身の能力低下に無関心であるのは真の認知症の特徴であり、仮性認知症では病識が保たれているため、むしろ過度に心配する傾向が見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. うつ病の患者は通常、抑うつ気分が主であり、多幸感を示すことは稀です。多幸感は躁病エピソードで見られることが多い特徴です。正しくは:多幸感を示すのではなく、むしろ気分の落ち込みや絶望感を訴えることが多い。選びやすい理由:認知症と聞くと明るく振る舞うイメージを持つかもしれないが、仮性認知症はうつ病が背景にある。混同注意:認知症における多幸感(前頭側頭型認知症などで見られることがある)
- 2. うつ病の症状として、意欲の低下や人との交流を避ける傾向があるため、社交的に振る舞うことは少ないです。むしろ、引きこもりや社会的活動からの撤退が見られます。正しくは:社交的に振る舞うのではなく、対人交流を避け、孤立しがちである。選びやすい理由:認知症の患者の一部にみられる陽気な行動と混同しやすい。混同注意:認知症における脱抑制による社交的行動、または気分が高揚している状態
- 3. 正解。仮性認知症では、うつ病の症状として集中力の低下や意欲の減退があり、それが認知機能の低下として現れるため、物忘れを自覚し、しばしばそれを過剰に訴える特徴があります。これは真の認知症患者が物忘れを自覚しない(病識がない)ことと対照的です。
- 4. 正解。うつ病の主要な症状の一つに、精神運動抑制があります。これは思考や行動が全体的にゆっくりになる、言葉数が減る、動きが鈍くなるなどの形で現れます。仮性認知症の患者もこの特徴を示すことが多いです。
- 5. 仮性認知症の患者は、自身の認知機能低下や能力の減退に対して強い病識を持ち、しばしば過剰に心配したり訴えたりします。真の認知症患者が無関心(病識の欠如)であることと対照的です。正しくは:自身の能力低下に対して無関心ではなく、過剰に心配したり、不安を訴えたりする。選びやすい理由:真の認知症患者に見られる特徴と混同しやすい。混同注意:真の認知症における病識の欠如
国試ポイント
うつ病に起因する仮性認知症と、真の認知症との鑑別点(特に病識の有無や感情面)が問われています。それぞれの疾患の典型的な症状を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
真の認知症(特にアルツハイマー型認知症)の症状と混同しやすいです。仮性認知症では病識が保たれ、物忘れを訴えるのに対し、真の認知症では病識が乏しく、物忘れを認めないことが多い点が大きな違いです。また、気分も仮性認知症は抑うつ的、真の認知症は無関心や多幸感がみられることがあります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、仮性認知症と真の認知症(またはせん妄)の鑑別における他の項目(発症様式、日内変動、検査所見など)が問われる可能性があります。
関連知識
うつ病の診断基準(DSM-5など)、認知症の各タイプ(アルツハイマー型、血管性など)の主要症状、認知症と鑑別が必要な疾患(せん妄、うつ病)の特徴。